中小企業に手が届くDLPを提供――東陽テクニカと米GTB TechnologiesMaker's Voice

東陽テクニカは、米GTB TechnologiesのDLP(情報漏えい対策)ソリューション製品の提供を開始する。

» 2012年06月11日 18時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 東陽テクニカは6月11日、米GTB TechnologiesのDLP(情報漏えい対策)ソリューション製品「GTB Data Loss Prevention Suite」の提供を開始した。

 GTB Data Loss Prevention Suiteは、社内から社外への通信を監視する専用アプライアンス「GTB Inspector」(VMwareの仮想化基盤上でも動作可能)や、リムーバブルメディアへの情報の書き込みなどを制限する「GTB Endpoint Protector」、社内にある機密情報の検出や管理と著作権保護などの機能を提供する「eDiscovery & IRM」の各製品で構成される。GTB Technologiesは米国カリフォルニア州に本拠を置くDLP専業ベンダー。

GTB Inspectorアプライアンス

 極東事業開発マネジャーを務めるチャンギュウ・キム氏によれば、海外では金融やテクノロジーなど300社以上の導入実績があり、「ネットワークへの負荷や誤検知を限りなく“ゼロ”にしたデータ保護技術と、ファイアウォール設定の知識があれば導入作業ができる容易さが特徴」と話す。

 同社のDLPは、保護対象のデータを独自の仕組みでフィンガープリントとしてシステムに登録。インターネットやメール、業務アプリケーションなどからネットワーク上を移動するデータをGTB Inspectorで監視し、保護対象データと一致すれば外部に送信されるのを遮断する。遮断した際に社員などのユーザーに遮断理由を通知、再確認や上長の承認を得るといった対応をうながすこともできるという。

米GTB Technologies極東事業開発マネジャーのチャンギュウ・キム氏

 クレジットカード業界のデータ保護基準「PCI DSS」など業界規制に基づいた保護対象データのテンプレートや、個人情報をはじめ多くの企業で保護対象としているデータのテンプレートも備える。こうした事前定義済みの設定を活用することで導入の手間がかからず、「サポートを必要としない導入企業も多い」(キム氏)という。

 DLPソリューションの効果を引き出すには、保護対象データの洗い出しや機密レベルに応じた分類などの綿密な作業が導入時に必要となるほか、運用開始後も検出精度を安定させるまでに一定期間を要する。ポリシーやルールを再定義する場合には専門家によるコンサルティングが必要になる場合もあることから、コスト面も含めて、DLPの導入は大企業が主体となっている。

 東陽テクニカ 情報通信システム営業部 SEグループ係長の岡林哲史氏は、「従来のDLP製品は中堅・中小企業にとって導入が難しいものだったが、GTB Technologiesと提携することでDLPの利用を多くの企業に訴求していきたい」と話している。

 製品価格は最小構成(GTB Inspector)の場合で500万円(税別)から。東陽テクニカは年間3億円の販売を見込む。

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