小型の機器でも高速処理が可能な暗号技術「TWINE」を発表した。
NECは8月21日、センサ機器同士やサーバとの通信データを保護する暗号技術「TWINE」を開発したと発表した。ハードウェアの回路規模やマイコンにおけるメモリ使用量などの計算リソースでは世界最小クラスの軽量性を実現しているという。
新技術は、従来の暗号アルゴリズムで用いられていた「一般化Feistel構造」を改良して、ハードウェアだけでなくソフトウェアでも高速実行できるよう4ビット単位での処理のみを行う。小規模機器向けの代表的な暗号アルゴリズムと比較して、ASICでは同程度、小型マイコンのソフトウェア処理では4.5倍の処理速度を達成。サーバのCPU(2.8GHz)では3.76Gbps(C言語で実装したAESの2.5倍)の処理速度を実現した。
同社によれば、センサ機器から収集した多種・大量のデータ(ビッグデータ)の暗号化して保護する上で、AESのアルゴリズムを用いる場合では回路規模が大きく、小型のセンサ機器に暗号化専用のデバイスを搭載することが難しいという。小規模回路でのソフトウェア処理では処理速度が低下するという課題があった。
今後はセンサシステムなどに関連するプロダクト事業や、ビッグデータ活用ソリューション事業などへの適用に向けて研究開発を進めていくとしている。
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