Special
» 2012年10月09日 10時00分 UPDATE

専門家の知見を組み込んで自動化を推進:「パターン」が支えるPureSystemsの運用管理

連載第1回で紹介した通り、IBM PureSystemsの特徴の1つが「パターン」だ。パターンとは、ITを容易かつ即座に利用するための知見を集約、応用したものであり、システム構築だけでなく運用管理の課題解決にも効果が期待できるという。

[PR/ITmedia]
PR

ITをすぐに簡単に利用する

 IBMが提唱する「Smarter Computing」は、ITインフラをワークロードに最適化することでコスト削減と運用の効率化を実現し、クラウドの柔軟性と効率性を実装し、ビッグデータを活用することで知見洞察を獲得し、企業競争力を強化するというビジョンだ。Smarter Computingを具現化した統合プラットフォーム「IBM PureSystems」には、ITを“すぐに”“簡単に”利用するために「パターン」という仕組みが取り入れられている。

日本IBM アドバンスト・テクニカルセンター PureSystemsソリューション システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの藤原陽子氏 日本IBM アドバンスト・テクニカルセンター PureSystemsソリューション システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの藤原陽子氏

 日本IBM アドバンスト・テクニカルセンター PureSystemsソリューション システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの藤原陽子氏によると、パターンは大きく2種類に分けられるという。1つは、個別システムを統合したり、構成を最適化したりといった専門家が事前に組み込むもの。もう1つは、専門家の知見を製品に組み込んで再利用できるようにしたものだ。

 「運用管理という観点で言うと、既にやり方が分かっている対処の仕方がパターンに当たります。例えば、私たちが病気で病院に行くと、医者は診察して症状を確認し、これまでに治癒した実績のある薬を処方してくれます。ITも同じで、不具合や障害が発生したときに、既に実証されている対処方法を提供しようというのがパターンの発想です。一般的なシステムの運用管理であれば、パターン化されたものを適用して、素早く対応するというのが基本的な考え方です」(藤原氏)

 PureSystemsでは、具体的に2つのパターンのタイプがある。1つは「アプリケーションパターン」と呼ばれ、ミドルウェアとアプリケーションが組み込まれた複数の仮想サーバの構成を1セットにし、それをパターンという形で管理したもの。このアプリケーションパターンを適用することで、サービスの提供時間を確実に下げることができる。

 もう1つは、「仮想アプライアンス」と呼ばれるものである。これは、OS、ミドルウェア、アプリケーションを組み込み、用途に応じて設定を済ませた仮想サーバのイメージをパッケージングしたパターンだ。

パフォーマンスを見ながら動的に拡張

 パターンをシステム管理に利用するためのコンポーネントとして組み込まれているのが、「IBM Workload Deployer」という、アプリケーションシステム全体をデプロイするためのテクノロジーと、仮想サーバに含まれる監視用のエージェントだ。

 「CPU使用率などシステム負荷のサービスレベルを管理し、機能要件を満たしたシステムを稼働させるには、監視する仕組みと、デプロイを自動的に変更、拡張する仕組みを統合する必要があります。製品ファミリーの1つである『PureApplication System』では、モニタリング用のエージェントが展開される仮想サーバに入っており、データを取りながら指定した要件で稼働するように、スケールを管理できます」(藤原氏)

 これまでは、物理リソースをプール化した仮想サーバであっても、ピーク時を計算してサーバを配置する必要があった。それが、デプロイツールとエージェントを組み合わせてパターンで管理することで、機能要件の定義を満たす環境をデプロイし、アクティブにモニタリングしながらシステム変更することが可能になるわけだ。

 仮想リソースを割り当てる方法は非常にシンプル。1台の仮想マシンに物理コアを1/4予約し、残り3/4はロードバランスで「平均」にするか、データベースなどCPUインテンシブなワークロードを稼働するサーバに占有させる「専用」にするか、どちらかのタイプを選択するだけだ。また、「可用性」というポリシーが用意されており、これを選択すると1台の仮想サーバが障害でダウンしても、システムを継続して稼働させることが可能である。

 「これらの仕組みを使って、PureApplication Systemではワークロード負荷に応じてダイナミックにリソース拡張できます。また、障害が発生した場合には自動的にフェールオーバーする機能が盛り込まれているので、今までのように設計する必要もありません。システムの運用が始まったら、パフォーマンスをどうやってチューニングするかという点が課題でしたが、ベスト・プラクティスに基づいたパラメータが環境のプロビジョニング時に自動設定され、かつ必要に応じて自動的に仮想マシン・レベルでスケーリングしたりCPUリソースの割り当てをスケーリングできるため、チューニング不要というところがパターンの優れた部分になります」(藤原氏)

ライセンス管理やパッチ適用も可能

 システムの運用管理では、パフォーマンスだけでなく、ライセンス管理も重要になる。PureApplication Systemを利用している場合、あらかじめ組み込まれているIBM製アプリケーションのライセンス管理は気にする必要がないものの、無制限ライセンスが付与済みのWebSphere Application ServerとDB2以外のソフトウェアを使用する場合は、意図せずにライセンスの所有量を超えてプロビジョニングしないようにライセンス管理をきちんと行わなければならない。

 「ライセンス管理はこれまで非常に手間がかかっていましたが、PureApplication Systemにはライセンスを自律的に考慮してプロビジョニングする機能が組み込まれています。現在稼働中の仮想サーバで使用しているライセンス数をカウントし、ライセンス数が上限を超えないように配置を判断したり、それ以上スケールしないようにするといったポリシーが選択できます」(藤原氏)

 このようにパターンを運用管理に適用すると、アプリケーション稼働環境を一括でライフサイクル管理できる。変更や保守のたびにバージョンの親和性を個別に対応する必要がなくなるのである。

 このほか、PureApplication Systemのアプリケーションパターンの特徴として挙げられるのが、統合された監視コンソールで効率的にモニタリングできるという点だ。

 「リソースの使用状況などのパフォーマンスは、基本的に単一のコンソールから監視することが可能です。アプリケーション、データベース、ミドルウェアの状況がグラフ化されているとともに、リンクから必要な情報にすぐにアクセスできます。複数のコンポーネントにまたがったシングルサインオン構成に対応しており、シームレスに必要な監視ツールを使うことができます。また、ロールを設定できるので、管理者はフル操作、オペレーターは状況の監視だけといったように、参照可能な情報を制御できます」(藤原氏)

 さらに、コンポーネントのアップデート、パッチの適用を自動化できる点も大きな特徴だ。

 「PureApplication Systemでは、複数のパターンを持つことができます。パターンの単位でフィックスを適用できるので、仮想サーバのイメージをテンプレートとして、フィックス適用後のパターンをデプロイし直すというシンプルな方法で、常に最新の状態に保てます」(藤原氏)

“パターン”でアプリケーション稼働環境を一括でライフサイクル管理 “パターン”でアプリケーション稼働環境を一括でライフサイクル管理

IaaS環境のサーバを用意する仮想アプライアンス

 一方、PureSystemsの中核となるハードウェアコンポーネント「PureFlex System」で構成されるIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)環境では、仮想アプライアンスというパターンが有効になる。その管理を担当するツールが、「Flex System Manager」と「SmarterCloud Entry」の2つだ。

 Flex System Managerは、さまざまなハードウェアリソースとハイパーバイザー、仮想OSのレイヤーまでをリソースプール化してデプロイメントを行うという機能を持っている。SmarterCloud Entryは、クラウドビジネスプロセスのワークフローを自動化するのを手伝うもので、サービスポータルを短時間で構築できる。

 「IaaSでは、リソースプールをどうやって作るのか、どうやって管理するのかなど、自動運用するための課題があります。そうした課題を解決し、リソースプールを踏まえた上でデプロイや監視を行うことが、PureFlex Systemでは可能になっています。展開するサーバ環境でパターンを適用することで、IaaS環境のユーザーが利用できるサーバの種類を、手間を掛けずに豊富に揃え、簡単にサービスカタログとして提供できます」(藤原氏)

 パターンとしての仮想アプライアンスは、OVFというファイルフォーマットで標準化されている。パターンをインポートしたり、ユーザー自身がキャプチャして作成したりすることが可能だ。効率的に稼働監視、プール管理を実行したり、フィックスの統合と適用作業の自動化をしたりできる点は、内容や適用範囲、仕組みなどが異なるものの、PureApplication Systemの機能とほぼ同様である。

 アプリケーションパターンや仮想アプライアンスは、専用ポータルサイト「IBM PureSystems Centre」で提供されている。2012年9月現在で160種類以上のパターンが登録されており、PureSystemsの利用者はダウンロード購入することが可能だ。

企業ITの価値変革をもたらす、ITインフラの新機軸

wp_icon.gif

現在のITシステムは変化に対応する柔軟性とともに、より標準化・自動化された運用が求められている。従来、その実現には多くの専門家たちの知見が必要だったが、その概念を打ち破る新しいITインフラが誕生した。

その導入メリットを2つの動画で解説する≫


連載インデックス

icon_no01.gif

第1回:「IBM PureSystems」に実装された“知見”とは

IBMは2012年4月、業界初の新しいコンピューティング・システム「エキスパート・インテグレーテッド・システム」を発表した。その第1弾製品として投入されたのが、サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化、管理機能を統合した「IBM PureSystems」だ。

icon_no02.gif

第2回:最先端のハードウェア技術を注ぎ込んだ「IBM Flex System」

新しいコンピューティングシステム「IBM PureSystems」を構成するハードウェアコンポーネントが「IBM Flex System」だ。新アーキテクチャのブレードサーバを中心とする新製品は、高性能かつ高信頼性を実現し、管理負荷を軽減する機能が満載だという。


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年11月8日