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» 2013年01月07日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:2013年のIT業界再編を大胆予測

2013年、IT業界に再編は起きるのか。新年を迎えて最初の本コラムでもあるので、ここはひとつ「さもありなん」とばかり大胆に予測してみた。

[松岡功,ITmedia]

事情通たちが語るIT業界再編

 2013年が始まった。新年最初の取引となる4日の東京株式市場は円安・株高で幕を開けた。日経平均株価が大幅に上昇して東日本大震災の前の水準に回復した一方、円相場も2年5カ月ぶりの円安水準を付けた。

 こうした動きの要因には、昨年暮れに船出した安倍政権の脱デフレ政策への期待に加え、米国の「財政の壁」問題がひとまず回避されたことが挙げられるが、まずはこれまでの景気低迷ムードに少しでも刺激を与えそうな期待を持ちたくなる新年の出だしである。

 さて、そうした中で2013年のIT業界は、どんな動きが見られるだろうか。IT関連の調査会社各社が昨年末に発表した予測については、前回の本コラム『2013年のITトレンド予測』(2012年12月25日掲載)でまとめているので、IT市場全般の動向についてはぜひそちらをご覧いただきたい。

 そこで今回は、新年を迎えて最初の本コラムでもあるので、業界再編の動きに絞って「さもありなん」とばかり大胆に予測してみた。そのネタ出しに二人の旧知の業界事情通が協力してくれたので、筆者を「松」、二人をそれぞれ「竹」「梅」の仮名としたうえで、以下、座談会形式でお届けする。


 これから起こり得るIT業界の再編について話を聞きたい。まず私から問題提起の意味も込めて、これまで本コラムでも幾度か述べてきた仮説を挙げておきたい。それは、とくにミッションクリティカルなサーバ分野で長年の戦略的協業関係を築いてきた、Oracleと富士通、HPとNEC、IBMと日立製作所が、それぞれさらにパートナーシップを深めて、この分野におけるグローバルな3大勢力を形成するというものだ。

 いずれの組み合わせとも互いに競合する分野はあるが、総じて米国勢にとっては国産勢の製品開発力や高品質、ITサービス力を魅力に感じているはずだ。一方、国産勢にとってはそれぞれのパートナーのグローバルブランドを生かしたボリュームビジネスを展開できることに大きなメリットがある。

 エンタープライズIT市場でのグローバル競争に向けた新しいステージへ進むべき、というのが松さんの主張だね。ただ、いずれの組み合わせとも提携領域が今以上に広がるとは思えない。もう、こうしたエンタープライズITベンダー同士を組み合わせること自体が古い発想じゃないかな。

 いや、クラウドを含めたエンタープライズIT市場はビジネス規模が勝負になってくるだろうから、今以上に優劣がはっきりしてくる可能性が高いんじゃないか。松さんの言う3つの組み合わせの提携領域でいうと、各社とも今こぞって投入し始めている垂直統合型システムの戦略展開が当面のキーポイントになるような気がする。

HP、IBMと肩を並べる国産勢の道とは

 垂直統合型システムについては、本コラムでも『激戦区「垂直統合型」システム市場の行方』(2012年12月17日掲載)で最新動向をまとめたけど、今はとりあえず各社ともそれぞれの製品戦略を打ち出している。

 それがどうなっていくか。垂直統合型システムは今後、ミッションクリティカルな分野に向けても重要な役割を担う可能性が高いとみられるだけに、そのボリュームビジネスを考慮した提携戦略を図る必要があるだろうね。

 提携領域という意味では、スマートシティなどの社会システム事業も注目度が高まっている。IBMと日立製作所などは、この分野での提携強化のほうがあり得ると思う。他にも業界筋では、富士通と東芝がこの分野で提携を模索しているとも言われている。

 提携話の流れでいうと、業界筋では今、野村総合研究所(NRI)の動向に注目が集まっているようだね。親会社の野村ホールディングスが業績不振からNRIの売却を検討しているとか。

 NRIの売却話は過去にも浮上したことがあったが、今回はどうか。一部報道によると、NTTデータと日立製作所が買収あるいは資本参加を検討しているようだ。

 NRI自体の業績はこのところ増収増益基調で、グローバル展開においてもアジア地域を中心に現地法人を相次いで設立して広げている。もともと金融分野に強いという特長もあることから、かなり激しい争奪戦になりそうだ。ただ、野村ホールディングスが業績を持ち直せば売却話はなくなる可能性もあるので、しばらく注視しておく必要があるね。

 最後に、先ほど述べた私の仮説は別として、国産勢がグローバルなサバイバル競争を生き抜くための大胆なアイデアがあれば聞かせてほしい。

 グローバルなITベンダーとして、現在、売上高のトップはHPで、IBMが続いている。そこで国産勢が第3位の座を獲得して、いわゆる3本指に入る手立てが1つだけある。それは富士通とNECが合併することだ。そんなことはありえないと思われるだろうが、本当に次世代の“日本発”グローバルIT企業をつくるならば、今はビジネス規模を追いかけることも必要ではないか。他の産業における最近のダイナミックな合従連衡の動きを見ていると、つくづくそう思うね。

 「さもありなん」と言いながら、二人とも気合いの入った話をありがとう。さあ、新年会に出かけよう。



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