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» 2013年01月23日 08時00分 公開

金融取引システムの“常識”に新風 SBIリクイディティ・マーケット (2/2)

[伏見学,ITmedia]
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15万トランザクションを超える処理能力

SBIリクイディティ・マーケット アプリケーションスペシャリストの堤一夫氏 SBIリクイディティ・マーケット アプリケーションスペシャリストの堤一夫氏

 そうした取り組みが実を結び、「2010年度末に、SQL Serverトランザクション処理内容を大幅に見直し、処理の95%程度を占めるレート検索処理の処理効率を高めた。この大規模な改良により、SQL Serverの内部トランザクション量を6分の1の6500トランザクション/秒に削減、かつ、48物理CPUコアの利用率をピーク時でも50%削減することに成功した。約定においても、日々15万トランザクション以上の処理能力がマークされている」と、同社 アプリケーションスペシャリスト堤一夫氏は自信を見せる。

 安心、安全なシステムを提供するため、システム運用、管理の面ではどのような工夫があるのだろうか。同社 IT統括部チーフマネジャー岡野正芳氏によると、「一気通貫でマイクロソフトの製品を活用しているため、運用管理のユーザビリティは高く、透明性もある」のだという。加えて、マイクロソフトが提供する「Premierサポート」によって、日常的にマイクロソフトの技術者と情報共有できることも大きいという。

SBIリクイディティ・マーケット IT統括部チーフマネジャーの岡野正芳氏 SBIリクイディティ・マーケット IT統括部チーフマネジャーの岡野正芳氏

 また、ハードウェアもマイクロソフトと親和性のあるベンダー製品を採用しており、ミッションクリティカル向け保守サービスを導入し、ハードウェア、ソフトウェア双方から一貫した運用管理を実施している。

 ただし、こういった外部サポートにシステムをお任せ、ということではない。こうしたミッションクリティカルなシステム基盤を提供するSBIリクイディティ・マーケットが特徴的なのは、30〜40人のIT部門がシステムの構築から運用、管理までをほぼすべて自律して行っているという点である。「たとえトラブルが起きても、自らが迅速に問題発見、分析し、すぐに解決に向けて着手できるのが他社との差別化要因だ」と重光氏は胸を張る。岡野氏も「社内で高い技術力を養っていくことが、課題解決能力の向上にもつながっている」と力を込める。

アジアマーケットでの取引を加速させる

 事業およびシステム面において、SBIリクイディティ・マーケットは今後どのような展望を描いているのか。重光氏は「アジア圏を中心としたネットワーク化、グローバル展開を目指した大規模なFX取引プラットフォームを提供していく」と打ち明ける。

24時間365日マーケットを管理するため、社内は常に活気にあふれている 24時間365日マーケットを管理するため、社内は常に活気にあふれている

 一人当たりGDP(国内総生産)を見ても、アジア各国の取引市場はまだ小さい。しかしながら、将来に向けたポテンシャルの高さは言うまでもない。さらに、同社100%小会社のSBI FXトレードのサービスを利用すれば1ドルから取引が可能になるため、アジアの一般個人でもFX取引を始めやすい環境にあるのだ。

 「当社の目標は、アジアにおいて利便性の高い通貨決済を個人でもできるようにすること。そのためには、絶対的に堅牢なシステム基盤と、それを可視化して誰もが安心に使えるようなルールの確立が必要だ」(重光氏)

 それらを実現する新たなプラットフォームを構築する上で、鍵となる技術がインメモリデータベースだ。2012年11月にマイクロソフトが発表したコードネーム「Hekaton」と呼ばれるインメモリ技術を実装し、現在の10倍もの取引ボリュームにも耐え得るような高パフォーマンスを目指す。既に設計・構築計画が始まっているという。「アジアでの取引では、1トランザクションあたりの数量(取引金額)は小さいものの、全体のトランザクション数は膨大になるはず。現状のシステムパフォーマンスでも対応可能なレベルだが、5年、10年とその先を見据えて次世代のFX取引プラットフォームを構築すべきなのだ」と重光氏は強調する。

 世界中のFX取引を支えるシステム基盤を築き上げるために、SBIリクイディティ・マーケットの飽くなき挑戦は終わらない。

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