システム運用管理コストは増加傾向に IDC調査

IDC Japanのシステム運用管理に関する調査結果から、多くの企業/組織においてシステム運用管理コストは増加していることが明らかになった。

» 2013年10月23日 18時02分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のIDC Japanは10月23日、システム運用管理に関する調査結果を発表した。多くの企業で運用管理コストは増加していることが分かった。

 同調査は、国内の企業および組織に対して2013年8月に実施。508社から有効回答を得た。調査結果によると、IT支出に対するシステム運用管理コスト(ハードウェアとソフトウェアの保守費用、運用サービスの委託費用、運用管理担当者の人件費が含まれる)の割合は、全回答平均で34.5%だった。業種別に見ると、平均コストが高い方から公共/公益の38.2%と金融の37.9%で、低い方からは流通の32.2%と製造の32.8%だった。

システム運用管理で優先的に取り組んでいきたい項目 2013年調査と2012年調査の比較(出典:IDC Japan) システム運用管理で優先的に取り組んでいきたい項目 2013年調査と2012年調査の比較(出典:IDC Japan)

 2010年のシステム運用管理コストと比較した結果は、「まったく/ほとんど変わらない」が50.6%と約半数を占めた。また、「増加している」が26.6%となり、「減少している」の14.0%を上回った。この結果から、多くの企業/組織においてシステム運用管理コストは増加していることが明らかになった。

 システム運用管理における課題について、「運用管理担当者の人数が不足している」が32.9%と最も多く、次いで「運用管理担当者のスキルが不足している」が31.9%だった。そのほかに回答が多かった項目は、「システムの一元管理ができていない」(25.4%)、「運用プロセスが標準化されておらず属人的な管理になっている」(24.6%)、「運用管理の自動化ができていない」(24.4%)などだった。

 システム運用管理で優先的に取り組んでいきたい項目については、「システム全体構成の可視化」の回答が最も多く28.0%。以降、「運用管理担当者のスキル向上のための教育」(24.0%)、「運用管理プロセスの自動化」(22.2%)、「アウトソーシング/クラウドサービスの活用」(同)が続いた。特にスキル向上と自動化は2012年調査から大きくポイントが増加しており、課題として挙げられている運用管理の人手不足/スキル不足を裏付ける結果となった。

 そのほか、目立った傾向として「モバイルデバイス管理システムの構築」のポイントが大きく増加した。

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