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» 2014年01月14日 08時00分 UPDATE

2014年 新春インタビュー特集:クラウドで“企業と個人”のギャップをなくしていく――グーグル

いまや企業ITにおいても主要プレイヤーの1社となったグーグル。「大きな節目の年になった」と振り返る2013年に続き、2014年はどのように事業を拡大していくのか。同社エンタープライズ部門の責任者 阿部伸一氏に聞く。

[本宮学,ITmedia]

――2013年の振り返りをお願いします。

photo グーグルのエンタープライズ部門 日本代表を務める阿部伸一氏

阿部氏 日本企業がクラウドに注目する契機となった東日本大震災から3年目を迎え、グーグルのサービスがエンタープライズ市場でも一定の地歩を占めるようになりました。そうした意味で、2013年は当社のエンタープライズ事業にとって1つの大きな節目となったと感じています。

 奇しくも、私がグーグルに入社したのも東日本大震災と同じ2011年のこと。これを起点として考えると、1年目はクラウド自体の認知度を高め、2年目には数万アカウント単位でGoogle Appsを採用する大規模顧客をいくつも獲得できました。そして2013年には、これまでグーグルのサービスを使っていなかったような業種・規模の企業にもさまざまな業務で採用してもらえるようになりました。

 では、なぜグーグルのサービスが多くの企業に採用されているのでしょう。その理由の1つは、ビジネスパーソンの多くが“普段の生活”と“仕事”で使うツールにギャップを感じているからだと思います。コンシューマー向けツールが企業向けよりも高度化した今、普段の生活で使い慣れたツールを企業内でも使いたいというニーズの高まりが、多くの企業がGoogle Appsなどを採用する背景にあるようです。

――2013年に特に成果を上げたこと、苦戦したことをそれぞれ教えてください。

阿部氏 まず大きな成果としては、NTTドコモとKDDIに新たにGoogle Appsの提供パートナーになっていただけました。ソフトバンクとは2011年からパートナーシップを結んでいますので、これで日本の3大キャリア全てと協力体制を築けたことになります。

 また、カーナビゲーションシステムを手掛けるクラリオンへの技術提供など、グーグルがコンシューマー向けに提供してきたサービスが企業でも活用されるようになったのも大きな成果です。これは、当社が掲げる「Work the way you live - いつも同じを、Googleで」という標語を実現する具体的な取り組みになりました。

 一方、大変だったことは数え切れません。なぜなら、当社は誰かがやったことの後を追うのでなく、自らイノベーションを起こすことをポリシーとしているからです。常に先頭を走っていくのは答えが見えない世界ですから、毎日が挑戦の連続でした。

 これまで誰もやっていないことについて仮説を立て、顧客の意見も聞きながらスピーディーに検証していくことで、かつてない方法で顧客のイノベーションを支援したり、われわれ自身も新しいビジネスを創出することができるのです。この方針は2013年だけでなく、それ以前もこれからも変わりません。

――2014年の事業目標を教えてください。

阿部氏 私が2014年から目指すのは、今後3〜4年の間にエンタープライズ事業の規模を数倍にすることです。そのためには、過去3年で実現してきたことを1年でやって、その後もさらに加速させていく必要があります。

 成長の指標として、われわれは社内で「10X」(テンエックス)という言葉を掲げています。これは10倍以上のペースで成長していくことを目指すということです。

 ただし、単に売り上げや社員数の拡大を目指すのではグーグルらしくありません。既存のやり方に“ギャップ”を見つけ、イノベーションによってビジネスを急拡大させていく。これをパートナーや顧客とも協力しながら実現していきたいと思っています。

――最後に、阿部さんが「組織を率いるリーダー」として絶対に譲れないことをお聞かせください。

阿部氏 イノベーションを大切にすることです。イノベーションの対局にあるのは「変わらないこと」ですが、われわれはテクノロジーによる変革を通じて世の中に貢献していきたいと思っています。

 当社は今年で15周年を迎えますが、これまでコンシューマー向けサービスで培ってきたイノベーションを企業向けにも展開し、あらゆる企業の業務のあり方に変革を起こしていきます。そのペースは今後ますます速くなっていくことでしょう。

 そのためには、われわれ自身も変わり続ければなりません。そうでなければ顧客から「あなたが変わっていないのに、なぜウチが変わらないといけないのか」と言われてしまいますからね。自分たちの価値観や行動が古いものにならないよう、常に自らイノベーションを起こしていくことを、私自身もチームとしても心がけていきます。

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