Googleとクラリオンは5月10日、クラリオンのカーナビゲーションシステムにGoogleの音声認識と位置情報検索技術を利用する契約を結んだと発表した。クラリオンは、音声認識で近隣のスポット情報などを検索できる車載端末を年内をめどに製品化する計画だ。
クラリオンの車載端末向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」に、Google音声認識と「Google Places」の技術を搭載。音声で目的地を入力し、クラウド上にある最新かつ膨大な情報を検索、表示できる。
音声による目的地検索は「USJ」「スタバ」などの略称や、「イタリアン」「日帰り温泉」といったカテゴリでも認識する。Google Placesにひもづいた情報も含めて検索するため、「夜景のきれいなレストラン」「おいしいラーメン屋」など形容詞付きの単語でも検索できるという。
クラリオンがGoogleの技術を採用した最大の理由は「グローバル展開力」。位置情報の量の多さに加え、音声認識技術も世界数十カ国の言語に対応しており、世界の車メーカーと取引をする際に大きなメリットになるという。
同社の泉龍彦社長は「車の中というノイズも多い環境でも精度高く音声を認識でき、リーチできる情報量も格段に増える。今までも同じような検索は可能だったが、最新の情報をより速く正確に届けることで、ドライブは便利に楽しくなる」と期待する。
Googleのリチャード・サー アジア太平洋 GEO セールスディレクターは「Google MapsやGoogle PlacesのAPIは、世界80万以上の企業にあらゆる形で活用されている。地理空間情報を活用することは、コスト削減やマッチング効率アップなど企業にもユーザーにもメリットは多い」と今後も位置情報に関する技術提携を進めていきたいとした。
対応端末は年内をめどに製品化する計画。現在はスマートフォンを介して通信する方式で考えているが、車載向けWi-Fi規格が整い次第、対応していきたいとした。音声認識の活用として、将来は車自体の安全制御やカメラによる画像認識との連動なども視野に入れるという。
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