ドモホルンリンクルの再春館製薬所、システム刷新でバックアップ作業時間を40%短縮導入事例

基礎化粧品「ドモホルンリンクル」などを手掛ける再春館製薬所は、重複排除バックアップストレージの導入でテープ関連作業を不要にし、データバックアップの作業時間を従来の約22時間から13〜14時間前後に短縮した。

» 2014年01月21日 15時45分 公開
[ITmedia]

 基礎化粧品「ドモホルンリンクル」などの製造・販売を手掛ける再春館製薬所は、EMCジャパンの重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain DD670」(以下、Data Domain)を導入し、データバックアップに関する作業時間を約40%短縮した。EMCジャパンが1月21日に発表した。

 再春館製薬所は従来、受発注業務や生産管理業務に関するデータを6台のテープライブラリ装置で日次バックアップしていた。だが、パックアップ作業時間は増加の一途をたどり、ほぼ一日中テープライブラリ装置がフル稼働している状態となっていたという。こうした状況では、計画外のバックアップ作業が発生した場合の対処が困難となり、災害発生時などの迅速なリストアについても不安があった。

 これらの課題を解決するため、同社は顧客データの確実な保護とBCP強化にも貢献できる新たなバックアップストレージシステムの導入を検討していた。その中で重複排除機能を重視して製品選定を行った結果、Data Domainの採用に至ったという。

 具体的なData Domainの採用ポイントとしては、(1)ブロックレベルでの高速なインライン重複排除をハードウェア処理で行うことからバックアップデータを10〜30%ほど削減できること、(2)レプリケーション機能が備わっている点、(3)拡張オプションを利用すればデータ容量の増大に柔軟に対応できること――などを挙げている。

 同社は新システムの導入で、これまで毎日約30分の時間を要していたテープ関連作業が不要になり、年間にして120時間以上の作業時間を削減できたという。さらにデータバックアップにかかる時間も、従来の約22時間から13〜14時間前後へと約40%短縮できる見込みだ。

 また同社は従来、バックアップ済みのテープを毎日遠隔地に搬送して保管していたが、新システムでは「Data Domain Replicator」を使ってWAN経由でデータを転送する方式を採った。データは重複排除が済んだ分のみを転送するため、WANの帯域を圧迫することもないという。

 今回の導入プロジェクトでは、既存のシステム構成や運用手順にほとんど手を加えることなく新たな環境を構築したという。バックアップ用ソフトウェアは、以前から導入している製品を引き続き利用しており、ネットワーク構成にも基本的に変更を加えていない。再春館製薬所は今後、情報系システムも含めた全てのデータをData Domainで保全していく計画だ。

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