セキュリティ機能をうたって新着有料アプリのランキングでトップに浮上していたアプリが、何の機能も持たない詐欺アプリだったことが分かった。
米Googleのアプリ配信サービス「Google Play」でセキュリティ対策アプリとして売り出され、トップ人気を獲得していたアプリが、実は何の機能も持たない詐欺アプリだったことが分かったという。Android関連情報サイトの米Android Policeが4月6日に伝えた。
それによると、問題のアプリ「Virus Shield」は1週間ほど前から3.99ドルで売り出された。「有害アプリのインストール防止」「アプリやファイルをリアルタイムでスキャン」「個人情報の保護」などの機能をうたい、星4.7の高い評価を獲得。米国のPlay Storeの新着有料アプリのランキングでトップに浮上し、ダウンロード数は1万を突破していたという。
ところがAndroid Policeが調べたところ、このアプリの実態は、タップすると×印のアイコンがチェックマークのアイコンに変わるのみで、それ以外の機能は何もないことが判明。「セキュリティ上のメリットは何1つないことを確認した」という。
Android Policeは、Virus Shieldを逆コンパイルしてJavaコードをGitHubで公開。作者の「Deviant Solutions」についても調べたが、情報はほとんどなく、ただユーザーをだまそうとして禁止されたアカウントとの関連で同じメールが使われていたことが分かったと伝えている。同アプリのレビューもほとんどがでっち上げだったと思われる。
Virus Shieldはこの情報が伝えられた当日にPlay Storeから削除されたという。しかし、「これほどあからさまな偽アプリ、しかも有料アプリがトップに浮上して、何百、何千というユーザーがダウンロードしてしまったことは非常に残念」とAndroid Policeは言う。Googleが現在行っているフィルタリングでは不十分だとして、「何か手を打つ必要があるのは明らか」と指摘している。
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