「次の10年」と「10億ドル企業」へ経営陣を強化するセールスフォース

セールスフォース・ドットコムは日本HPの前社長、小出伸一氏が新設された会長職に就任、CEOも兼務し、「社員2000人、売り上げ10億ドル」という成長目標の達成に取り組んでいくことを明らかにした。川原SVPも社長兼COOに昇格し、業種別ソリューションの幅を広げるなど「ニッポンへの投資」を牽引する。

» 2014年04月16日 19時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
小出会長兼CEO(右)と川原社長兼COO

 セールスフォースフォース・ドットコムは4月16日、日本ヒューレット・パッカードの前社長、小出伸一氏を代表取締役会長兼CEOに任命したことを明らかにした。シニアバイスプレジデント兼エンタープライズ営業担当だった川原均氏の社長兼COO昇格、宇陀栄次氏前社長の取締役相談役就任も併せて発表され、夕方から都内で行われた顧客やパートナーらを交えた懇親会は、かつてIBMで共に切磋琢磨した3人による強力な経営陣のお披露目となった。

 「過去10年、宇陀前社長のリーダーシップで日本法人は大きく成長できた。次の10年、さらに新たなレベルに引き上げていくには、小出氏をはじめとする強力なマネジメントチームが必要だ」と話すのは、来日した米salesforce.comのキース・ブロック社長兼副会長。ブロック氏は、日本法人の社員を2000人以上に増やし、売り上げはビリオンダラー(10億ドル)規模にするという当面の成長目標も公表した。

 取締役相談役に退く宇陀氏も、今回の経営陣強化は自らまとめ上げたプランだったことを明かす。「日本HPで数千億円の事業をマネジメントしてきた小出氏が加わることでさらに成長を加速したい」と宇陀氏。自身も引き続き、日本企業の支援に取り組みたいとする。

 セールスフォースへの転身を「第2ステージ」と表現する小出氏は、「革新的で創造的なITの新しい需要を喚起することで、社員2000人と売り上げ10億ドルは、必ず実現できる」と意気込む。市場シェアの奪い合いではなく、新たな日本のIT市場を創造する取り組みへのチャレンジだ。

 「この1年、PaaSを活用した企業システムの構築が増えてきている。この機を捉え、パートナーとともに業種別のソリューションを拡充していきたい」と話すのは、川原社長兼COO。これまでの大企業向け営業に加え、新たに業種別ビジネスユニットとアライアンスも担当し、「ニッポンへの投資」(川原氏)を牽引していくという。

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