NSAは輸出するCisco製品にバックドアツールを仕込んでいた──スノーデン氏関連の新刊書が暴露

元CIA職員がもたらした大量の極秘文書に基いて書かれたNSA告発書「NO PLACE TO HIDE」によると、NSAはCiscoのネット製品などに情報収集ツールを密かに追加して輸出していたという。Ciscoは「知らなかった」という声明文を出した。

» 2014年05月15日 13時57分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米国家安全保障局(NSA)が定期的に米国製のルータやサーバを輸出前に入手し、情報収集用のバックドアツールを密かに追加していたことの証拠となる文書が、5月13日に出版された告発本「NO PLACE TO HIDE」で紹介された。

 本書は、元CIA職員のウイリアム・スノーデン氏がNSAから持ち出した大量の極秘文書と、スノーデン氏との会話に基いて、元英Guardianの記者、グレン・グリーンウォルド氏が執筆したものだ。

 第3章「Collect It All」には画像付きで2010年6月のNSAの幹部による関連報告書が掲載されている。これによると、NSAは入手したネット機器をTailored Access Operations/Access Operations(TAO)チームに送り、TAOチームがツールを埋め込んで梱包しなおして配送ルートに戻していた。

 cisco 報告書には作業中のTAOチームの画像も掲載されている

 グリーンウォルド氏は本書で、NSAが米Cisco Systems製の大量のルータとサーバにもツールを埋め込んでいたが、Ciscoがこれについて知っていたかどうかを示す証拠はないと書いている。

 Ciscoは同日、公式ブログで、「Ciscoは米連邦政府を含むいかなる政府とも、当社製品を劣化させるようなことには協力していない」と語り、行き過ぎた政治的行為は自由を損なうと、米連邦政府の行為を批判した。

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