セキュリティの猛者求む SECCON 2014が6月末に開幕

国内最大級のハッキングコンペ「SECCON」が6月29日からスタートする。今回は女性限定の大会や英語による予選なども実施し、国内外からの参加を募る。

» 2014年06月10日 16時36分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ネットワークセキュリティ協会は6月10日、国内最大級のハッキングコンテスト「SECCON 2014」を29日から開催すると発表した。2015年2月の全国大会まで多数の競技を開催する予定で、国内外からのべ2000人の参加を見込んでいる。

 SECCONは今年で3回目を迎える。昨年から学生や社会人の区分け無く参加できる大会となり、全国から509チーム・1312人が参加。内訳は学生が約55%、社会人が45%で、セキュリティ分野を選考する学生や主業務とする社会人以外にも、多くの人が参加した。

 SECCON 2014では新たに、女性限定の「CTF for Girls」や英語によるオンライン予選なども導入する。29日に東京・六本木ヒルズ森タワーで開催されるCTF for Girlsのワークショップ(講義と演習など)を皮切りに、オンライン予選や全国4都市での地方大会、ITベンダーとの連動イベントなどを順次開催する。全国大会は2015年2月7、8日に東京電機大学で行われる。

開催概要とスケジュール(右)

 オンライン予選や地方大会ではゲーム形式でセキュリティ技能を競う「CTF(Capture The Flag)」を実施する予定だ。出題ジャンルはフォレンジクスやネットワーク、プログラミング、Web・Trivia、バイナリ解析、暗号解読の6つ。予選を通過した25チーム(100人)が全国大会に進出できる。セキュリティカンファレンスも併催され、競技だけでなく、最先端のセキュリティ技術を習得できる場になるという。

開催内容を発表する竹迫氏と中島氏(右)

 実行委員長を務めるサイボウズ・ラボの竹迫良範氏は、「ハッキングコンテストは世界的に盛り上がっており、日本から世界に通用する人材の育成・輩出ができる大会を目指したい。今年はバイナリからファイル形式をあてる『バイナリかるた』なども企画しており、セキュリティの門戸も広げたい」と抱負を述べた。

 CTF for Girlsを企画したNTTセキュアプラットフォーム研究所の中島明日香氏は、「セキュリティ技術に男女差は無いと思うが、これまでは女性が挑戦できる場が少なく、CTF for Girlsを通じて女性のセキュリティ技術者が活躍できる機会やコミュ二ティを広げたい」と語った。

 SECCON 2014には政府省庁や多数の民間企業、セキュリティ機関が後援や協賛を行う。情報処理推進機構(IPA)が2012年に発表した「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」報告書によれば、国内では約2万2000人のセキュリティ人材が不足しているとされる。

 昨今ではサイバー攻撃などによる情報漏えい被害なども多発しており、企業や組織ではセキュリティ人材の確保が急務でもあり、後援や協賛を行う団体の代表者らは、SECCONを通じたセキュリティ人材の育成に多大な期待を寄せていると述べた。

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