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» 2014年06月27日 10時30分 UPDATE

資生堂が1万人超の“美容部員”にiPadを配った理由 (1/3)

資生堂は昨年、1934年から活躍している“美容部員”こと「ビューティーコンサルタント」約1万人にiPadを一斉導入した。その背景と狙いとは――。

[本宮学,ITmedia]
photo 資生堂のビューティーコンサルタント(出典:資生堂公式Webサイト

 世界有数の化粧品メーカーとして知られる資生堂は、1872年創業の老舗でありながら早くからIT活用に取り組んできた企業でもある。1989年に店頭POSシステムを導入したのを皮切りに、95年には公式Webサイト(現「watashi+」)をオープンするなど、店頭とネットの両面で顧客獲得施策を行ってきた。

 そんな同社は2013年6月、「ビューティーコンサルタント」と呼ぶ店舗スタッフ約1万1000人にiPad(3G/LTEモデル)を一斉導入したという。「単なる思い付きで導入したのではない」と話す資生堂情報ネットワークの毛戸一彦さん(ネットワーク企画部長)と三浦絢也さん(ネットワーク企画部システム開発グループ)に、取り組みの背景と狙いを聞いた。

12年前に導入した携帯電話向けシステムが限界に

photo 1934年当時のミス・シセイドウ(出典:資生堂公式Webサイト)

 資生堂のビューティーコンサルタントは、販売店で顧客向けに美容相談やカウンセリングなどを行う社員のことだ。その歴史は非常に長く、1934年に「ミス・シセイドウ」として登場してから80年間にわたって日本の女性の美容をサポートしてきたという。

 現在では約1万人の社員がビューティーコンサルタントとして働いているが、常に店舗で働いているコンサルタントたちが本社に出勤するのは月に1〜2回ほど。そこで2002年には、場所にとらわれず勤怠管理や活動実績報告などを行うための仕組みとして携帯電話を一斉導入したものの、今では新たな課題が生まれていたという。

 「ビューティーコンサルタントが使う携帯電話は3代目になって老朽化が進んでおり、修理交換用のパーツも手に入らなくなっていた。また、携帯電話向けの業務システムを構築・メンテナンスし続けるのも多大なコストがかかる。これを機にシステム全体を見直し、より効率的な仕組みを採用したいと考えていた」(毛戸さん)

photo 資生堂情報ネットワークの毛戸一彦 ネットワーク企画部長

 また、ビューティーコンサルタントが利用する紙の商品カタログやマニュアル類にもコストがかさんでいたという。「ビューティーコンサルタント向けに配布するカタログやマニュアル類は年間70冊・6000ページにもわたり、その印刷代などが課題になっていた」と毛戸さんは振り返る。

 ビューティーコンサルタント向けの業務システムを見直しつつ、電子カタログ導入によってコスト削減と利便性向上を図りたい。さらには新たな顧客応対システムによるサービス向上にも取り組みたい――これらのニーズを全て満たすため、同社はiPadの大規模採用を決定する。

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