ビジネスに影響する技術トレンドと生かし方――Gartnerの最新見解

2000以上の技術を成熟度やビジネス貢献度などの観点から分析した「ハイプ・サイクル」の最新版を公開した。

» 2014年09月03日 14時56分 公開
[ITmedia]

 ガートナー ジャパンは9月3日、2000以上の技術に関する最新の分析結果「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2014年」を発表した。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2014年、出典:ガートナー

 ハイプ・サイクルは、企業の戦略/プランニング担当者向けに20年前から提供している技術の成熟度やビジネス貢献度、方向性に関する分析情報。同社は「デジタル・ビジネスに向けた動きが今後の中心的なテーマになる」と提起。企業で「デジタル・ビジネス」が発展していく過程に以下の6つの段階(ステージ)があり、今回のハイプ・サイクルではステージ4〜6に属する技術が目立つという。

  • ステージ 1:アナログ
  • ステージ 2:Web
  • ステージ 3:E-Business
  • ステージ 4:デジタル・マーケティング
  • ステージ 5:デジタル・ビジネス
  • ステージ 6:オートノマス(自律型)

 ステージ4〜6の概要と各ステージで企業が検討すべきという技術は次の通り。

ステージ 4:デジタル・マーケティング

 デジタル・マーケティングのステージでは、「力の結節」(モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションの強固な結び付き)が重要になる。消費者がソーシャル・コネクションを広げたり製品やサービスからより高い価値を獲得したりするために、マーケティング活動へ積極的に参加したいと考えているこのステージにおいて、企業はこれらの消費者とつながるための新しくより洗練された環境に焦点を当てることになる。製品やサービスの購入者は従来よりもブランドを重視するとともに、窓口としてモバイル・デバイスおよびソーシャル・ネットワークを好んで利用する。ビジネスの成長を目指す企業は、購入者に対する影響力の強化に取り組むことになる。

ソフトウェア定義、立体ホログラフィック・ディスプレイ、ニューロ・ビジネス、データ・サイエンス、プリスクリプティブ分析、複合イベント処理、ゲーミフィケーション、拡張現実、クラウド・コンピューティング、NFC、仮想世界、ジェスチャ・コントロール、インメモリ分析、アクティビティ・ストリーム、音声認識


ステージ 5:デジタル・ビジネス

 力の結節後に到来する最初のステージがデジタル・ビジネスである。このステージでは人、企業、モノの統合に焦点が当てられるこのステージでは「モノのインターネット」ならびに、物理的世界と仮想世界の境界が曖昧になるという考え方が強力なコンセプトになる。物理的資産はデジタル化され、ビジネス・バリューチェーンにおいて、システムやアプリケーションなど既存のデジタル資産と同等の役割を果たすようになる。3Dプリンティングによって物理的なモノのデジタル化がさらに進められ、サプライチェーンと製造環境の変革を実現する大きな機会が創出される。また、例えばバイタル・サイン (血圧や体温、脈拍)のような人の属性情報をデジタル化することも可能になる。このステージでは、(既にデジタル化が進んでいるといえる)通貨さえも変革の対象となる(例えば暗号通貨)。

生体音センサ、デジタル・セキュリティ、スマート・ワークスペース、コネクテッド・ホーム、3Dバイオプリンティング・システム、アフェクティブ・コンピューティング、音声翻訳、モノのインターネット、暗号通貨、ウェアラブル・ユーザー・インタフェース、コンシューマー3Dプリンティング、マシン対マシン・コミュニケーション・サービス、モバイル・ヘルス・モニタリング、企業向け3Dプリンティング、3Dスキャナ、コンシューマー・テレマティクス


ステージ 5:オートノマス

 力の結節後の最後のステージであり、企業は人間と同様(ヒューマンライク)な能力または完全に人間に代わる能力を提供する技術を利用することが可能になる。自律走行車による人や製品の輸送、また、コグニティブ・システムによるテキストの書き込みや顧客からの問い合わせへの回答などは、全てこのステージを表すテクノロジの例である。

仮想パーソナル・アシスタント、ヒューマン・オーグメンテーション、ブレイン・コンピュータ・インタフェース、量子コンピューティング、スマート・ロボット、バイオチップ、スマート・アドバイザ、自律走行車、自然言語による質疑応答システム


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