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» 2014年10月08日 10時00分 UPDATE

IBM Enterprise 2014 Report:進化し続けるメインフレーム、将来は人の脳を真似たチップも搭載? (1/2)

ラスベガスで開催中の「IBM Enterprise 2014」では、モバイルやアナリティクスの機能が強化されたIBM System zを活用し、デジタル時代に備える企業の事例が数多く紹介された。振り返れば、IBMは常に最先端の技術をメインフレームに投入してきており、さらに人の脳を真似た次世代プロセッサにも多額の研究開発投資を行っている。

[浅井英二,ITmedia]
travelport01.jpg Travelportでインフラを担当するフィリップス副社長

 米国時間の10月7日、ネバダ州ラスベガスで開催中の「IBM Enterprise 2014」カンファレンスは2日目を迎え、午前のジェネラルセッションでは、モダナイゼーションが進むメインフレームの顧客事例やさらに将来盛り込まれていくだろう最先端技術が紹介された。

 「メインフレームは進化し続けており、この優れた拡張性と堅牢な基盤上でLinuxの活用をどう掘り下げていくかが、われわれ成功のカギとなるだろう」── そう話すのは、Travelportでインフラサービスを担当するグラハム・フィリップス副社長だ。

 ジョージア州アトランタに本社を置くTravelportは、トラベルサイトや旅行代理店向けの国際流通サービス最大手。7兆ドル規模という巨大な旅行業界において「Apollo」「Galileo」「Worldspan」という3つのブランドを通じて、飛行機やホテル、レンタカーなどの予約・決済業務をオンラインで提供している。年間の取引量は9000億件、売り上げも850億ドルに上る。

 フィリップス氏によれば、かつてはテキストだけだった情報も今や座席や部屋を写真で見たいという人が増え、同社が提供するコンテントの幅も広がっている。また、顧客の好みに応じたエアラインやホテルを探し出すための高度な検索機能も欠かせないサービスとなってきているという。IBM System zで構築された同社のシステムからは、1日当たり30億以上のシステムメッセージが送り出され、APIによるサービスコールも月間80億件に上るという。もちろん優れた応答性と24時間365日の可用性、そして高いセキュリティが求められることは言うまでもない。

 「利用が急増しているスマートフォンでは画面が小さいだけに、より洗練され、パーソナライズされた情報を必要なときに提供することが求められている」とフィリップス氏は今後の課題も話した。

メインフレームでリアルタイムアナリティクス

mauri01.jpg IBMでSystem zを統括するマウリGM

 IBMでSystem zを統括するロス・マウリGMは、パーソナライズによってゲームの流れを変えることに成功したチェコのガソリンスタンドチェーン、Petrolの事例を紹介した。Petrolではガソリンスタンドに小売店を併設して展開している。System zで顧客の購買履歴をリアルタイムで分析し、ガソリン代の支払いにきたレジで魅力あるクロスセル/アップセルをオファー、5%の売上増に結びつけたという。

 「これまでのアナリティクスは、メインフレームの取引データから必要なデータをデータウェアハウスに複製して分析してきたが、かえってコスト高を招き、システムの複雑さの原因ともなっている。そして何よりリアルタイムのアナリティクスによってパーソナライズされたオファーを出すことは難しい」とマウリ氏。

 メインフレームでアナリティクスなんて……と疑う向きも多いだろうが、マウリ氏によれば、メモリのコストが劇的に下がり、Cognos、SPSS、Hadoopといったツール群が整ってきたため、現実味は増してきており、むしろその恩恵の方に目が向き始めているという。

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