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» 2014年11月10日 08時00分 UPDATE

沖縄県西原町がSDNでネットワーク構築 4日で移行を成功した理由 (1/2)

新庁舎へのネットワーク移行では様々な変更作業も生じたが、住民サービスの提供に支障をきたすことなく完了することができたという。

[國谷武史,ITmedia]

 沖縄県の本島中部に位置する中頭群西原町は、5月に移転した新庁舎のネットワークにSDN(Software Defined Networking)技術を採用した。旧庁舎からのネットワーク移行では様々な変更作業が発生したものの、わずか4日間で無事成功につなげた。

 新庁舎での業務開始は2014年5月7日。総務部 企画財政課電算係の青木隆志さんは、「行政の窓口として『当日の朝に動きませんでした』では許されません。一番の成功要因はネットワークの柔軟性ではないでしょうか」と話す。

新しい技術への期待と懸念

nishiharatwn01.jpg 沖縄県西原町の新庁舎(YouTubeより)

 新庁舎は、役場機能だけでなく町民交流センターや保健センター、地域防災センターなども併設する。その建設では行政の効率化や住民サービスの向上を図るために、庁内ネットワークの見直しも検討することになった。

 従来のネットワークは「基幹系」「情報系」「住民開放系」などが独立して構成され、個別最適によって非常に複雑なものになっていた。ネットワーク全体の構成を把握するのは容易ではなく、トラブル対応にも多くの工数がかかるなどの課題を抱えていたという。

 新庁舎のネットワーク設計で同町は、複数の企業に企画提案を依頼。その中で、SDNの活用を提案するNECを選定している。

 NECによれば、自治体のシステムは国の施策や法改正、制度変更などへ速やかに対応することが要求される。従来はシステム変更に合わせてネットワーク機器を1台ずつ設定しなくてはならず、多くのコストと時間を伴っていた。ネットワークの運用管理が特定の担当者に集中する状況もあり、運用の負荷を分散させながら、既存の機器を効率的に活用して、容易に変更などができる柔軟性と拡張性がネットワークに求められた。

 こうした課題の解決に期待されるのがSDNだ。SDNはソフトウェアによって論理的なネットワーク構成を組めるのが特徴で、新設や変更、追加といった作業を管理ツールから操作する。上述のように物理的な機器を個別に操作する手間が大幅に解消される。

 しかし、SDNは登場して日の浅い新しい技術でもある。青木さんによれば、安定して稼働するのか、つながるのかといった信頼性が懸念された。

 「実際にやってみないと分からないところもありますが、従来型のネットワークなら、経験などから『こういう構成や設定ならどうなる』ということが感覚的にも分かります。しかし、SDNにはそういったものがありませんので、『雲をつかむ』というような状態でした」

 ただ、西原町が採用を決定した時には、既に導入済みの企業が複数あった。また、SDNの1つである「OpenFlow」についてNECなど関係ベンダーによる相互接続試験などで信頼性の向上も図られていた。

 「町もSDNについて確認、学習する中で、ある程度の理解が進みました。町が従来のネットワークをベースに要求していた機能が問題なく提供され、さらには柔軟性や、今後の変化への対応力もあると分かり、これらを総合的に考え、大丈夫であると判断しました」

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