企業版のマイナンバー「法人番号」とは?マイナンバー・企業の対応と注意点(1/3 ページ)

これまで本連載の記事では「個人番号」について説明しましたが、実はもう1つ割り振られる番号があります。それが「法人番号」です。

» 2015年02月04日 08時00分 公開

法人等に指定される「法人番号」とは?

1.法人番号とは何か?

 番号制度では個人一人ひとりに個人番号が指定されるだけでなく、法人等にも法人番号が指定されます。行政機関は、この法人番号を使って複数の機関が個別に管理している「特定法人情報」(法人番号とひも付けられた法人の情報)を特定・連携することによって、業務を的確かつ効率的に遂行できるようになります。

 法人等には13桁の法人番号が割り当てられ、2016年1月から順次、社会保障・税分野の申告書及び法定調書などを提出する際に、これらの書類に法人番号の記載が求められます。

2.法人番号の特徴

 法人番号には大きく分けて2つの特徴があります。1つ目は、番号法の中で個人番号の利用範囲が「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野と規定されているのに対して、法人番号は利用範囲の規定がなく、民間企業の幅広い分野で活用が期待できます。

 2つ目は、個人番号が社会保障・税等の業務に用いられる以外では原則として他人に公開されないのに対して、法人番号は「商号」または「名称と本店」、もしくは主たる事業所の所在地の情報とともに、国税庁の法人番号公表サイトで公表されます。この2つの特徴から、官民問わず様々な領域や用途で法人番号の活用が期待できます。

3.指定対象と指定方法

 法人番号は番号法に基づき国税庁が指定します。法人番号が指定されるのは、国の機関および地方自治体、そして会社法その他の法令の規定により登記所の登記簿に記録された法人が基本です。これ以外に税務上、給与支払事務所等の開設届出書、内国普通法人等の設立の届出書、外国普通法人となった旨の届出書、収益事業開始の届出書、消費税課税事業者届出書を提出する団体にも指定されます。

 以上の機関には、特に手続きを行うことなく、国税庁から法人番号が指定され、通知を受けることとなります。一方、これ以外の機関でも個別法令で設立された国内に本店を有する法人や、国税に関する法律に基づき税務署長等に申告書・届出書等の書類を提出する者など一定の要件を満たせば、国税庁に届け出ることで法人番号の指定を受けられます。

 法人番号の番号体系は数字のみで構成された13桁で、1法人に1番号が指定されますが、法人の支店や事業所等には指定されません。法人番号の指定方法は、登記されている法人の場合、法務省から提供される商業登記法に基づく会社法人等番号(12桁)の前に、1桁の検査用数値(チェックデジット)を加えた13桁の法人番号となります。一方、会社法人等番号を指定されていない国の機関や地方自治体などに対しては、国税庁が会社法人等番号と重複しない独自の12桁の番号を指定し、その前に同じく1桁の検査用数値を加えて13桁の法人番号となります。

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