その他にクラウド系サービスや仮想通貨、アフェリエイトなど一般にはまだなじみのないサービスについては、その仕組みや概要をきちんと記載し、処理方法を詳しく記入する。本人が簡単だと思っても、他人は非常に苦労する可能性が高い。サービスによっては本人以外の人間では変更や停止ができないというところもある。米国では死後に備えたサービスに様々な選択肢が登場しているが、日本ではまだその必要性が薄いと思われているようだ。実際には、弁護士が介在してもうまく対応できない事例もあると聞く。できれば生前からこういう方面を考慮したサービスを選んでおくことが賢い選択だろう。
タブレット端末はPCに準じる場合が多い。スマホなどの携帯電話は解約すれば済むかもしれないが、PCメールにはない連絡先に本人の死亡を通知するのが望ましい。一斉送信などで手間暇かけない方法もあるので、エンディングノートに端末のロック解除や通知方法、電話会社との解約方法などを記す。電話会社によって多少違うが、通常の書類以外に死亡診断書など指定されたものが必要になることもあり、必ず生前に確認してノートに記載すべきだ。
ここでは一例を紹介したい。
死後を想定することは、若い読者には難しいかもしれないが、万一の場合に備えておくことは無駄にはならない。エンディングノートをお正月やお盆休みのタイミングで考え、記してみてもいいだろう。
日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事、「先端技術・情報犯罪とセキュリティ研究会」主査。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会技術顧問、CFE 公認不正検査士。旧通産省の情報処理技術者試験の最難関である「特種」に最年少(当時)で合格。2008年6月まで三菱東京UFJ銀行に勤務、実験室「テクノ巣」の責任者を務める。
組織内部犯罪やネット犯罪、コンプライアンス、情報セキュリティ、クラウド、スマホ、BYODなどをテーマに講演、執筆、コンサルティングと幅広く活躍中。「個人情報はこうして盗まれる」(KK ベストセラーズ)や「デジタル・フォレンジック辞典」(日科技連出版)など著書多数。
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