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» 2015年05月07日 10時00分 UPDATE

Computer Weekly:どういうこと? ナデラCEO「MicrosoftはAppleやGoogleと競合していない」

MicrosoftのCEOナデラ氏は、Convergence 2015の基調講演で「あらゆるビジネスがソフトウェアビジネスになる」と語った。さらに、AppleやGoogleとの関係に言及した。

[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 “デジタル化”は多くのビジネスリーダーが理解に苦しむ業界用語かもしれないが、米Microsoftはデジタル化製品のポートフォリオ作成に乗り出している。あらゆるビジネスがソフトウェアビジネスになるだろうと、MicrosoftのCEOサトヤ・ナデラ氏は語る。

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 米国で開催された毎年恒例のConvergence 2015において、ナデラ氏は企業の代表者に向けて次のように話した。「ビジネスを変える原動力は、テクノロジーの課題を見据えることにある。ビジネスで実現を望むものが、テクノロジーを根本から変えていく」

 同氏によれば、IoT(モノのインターネット)をソフトウェアビジネスにすれば、全てのビジネスに影響を及ぼすことは間違いないという。

 ナデラ氏は、あらゆるビジネスはデータを利用することでどのように変わるかを検討すべきだと話す。「全てのビジネスがソフトウェアビジネスになり、アプリケーションを構築し、高度な分析を利用して、SaaSを提供することになるだろう」

 ナデラ氏が唱える「インテリジェンスを向上させるシステム」(SoI:Systems of Intelligence)を使えば、こうした取り組みがビジネスの経済を根本から変えることになると同氏は確信している。

 だが、ビジネスの変革は新しい概念ではない。ITは大きなビジネスの転換を支え続けてきたと同氏は続ける。「メインフレームは経理業務の自動化を支えた。ミニコンピュータは製造現場にリソースプランニングをもたらし、ものづくりの民主化を行った。だが、ITが真価を発揮したのはクライアントコンピューティングの時代だ。われわれはERPを構築して組織内の全て業務、つまり人事、経理、製造を自動化することで、効率性を次の段階に引き上げた」

 業界人の多くは、このようなシステムを「記録のためのシステム」(SoR:Systems of Record)に分類する。Webやモバイルテクノロジーの普及は、さまざまな種類のシステムを生み出した。顧客とパートナーのやりとりをデジタル化することに重点を置くこのようなシステムは、「人との関係を構築するためのシステム」(SoE:Systems of Engagement)に分類される。

 ナデラ氏は、コンピューティングの新たな時代はSoRとSoEの融合によって組織のインテリジェンスを向上させるシステムになるだろうと説明する。「クラウドという制約のないコンピューティングのおかげで、新しいビジネスシステムの幕開けを迎えようとしている。当社はSoRを基盤にSoIを構築してフィードバックループを生み出し、パフォーマンスや効率性を引き上げていくことができる」と同氏は語る。

IoSへの転換

 ナデラ氏によれば、Microsoftが力を入れる分野は静的システムをIoSに変換するようなアプリケーションになるという。Microsoftの最大のライバルとなる米Googleと米Appleの戦略に言及して、同氏は次のように話した。「Microsoftは、世界各地の全業種のビジネスを規模を問わずサポートしていくことに特に重点を置いている。広告ビジネスは本業ではなく、デバイスビジネスは行っていないため、この分野のビジネスには参入していない」

 「当社は、個人指向の高いコンピューティングに新時代を生み出すことを目指している。コンピュータに話しかけると、結果がホログラフィックで得られるような、自然なUIを作り出すユビキタスコンピューティングの仕組みがその例だ」

 ナデラ氏は、ビジネスの各プロセスに関係する生産性の統合について、Microsoftが新たに考案しようとしている幾つかの方法を説明した。「生産性の高いコミュニケーション、コラボレーション、ビジネスプロセスが交わるところに、組織で最も興味深いことが起こる」と同氏は話す。「Microsoft DynamicsとOffice 365は、エンタープライズ環境で新しいワークフローを実現する」

 Microsoftはさらに業界や地理的な枠組みを超えて機能するクラウドを作成することを目指すと同氏は話す。「当社が目指すのは、最も純粋な形式でハイブリッド環境をサポートする包括的なクラウドを構築し、柔軟性と豊富な機能を備えたデータプラットフォームを提供することで、利用者が転換の原動力となるIoSを作成できるようにすることだ」

具体化するデジタルビジネス

 ナデラ氏の基調講演は、デジタル化の時代にITがビジネスに関わり続けるための方法に関する最新の考え方に向き合うものだ。英HailoのHailo(AWS上で実行するタクシーアプリ)のような全く新しいビジネスが、従来型のビジネスを崩壊させようとしている。これは、1990年代後半に米Amazonと米eBayが小売のやり方を根本的に作り変えた状況に似ている。

 この流れに呼応して、従来型ビジネスではますますデジタル化が進められている。米Gartnerが行った「2014 CIO Agenda」調査では、対象となった英国とアイルランドのCIOの9%が、自社でCDO(Chief Digital Officer)を雇用したと回答した。

 Gartnerのリサーチディレクーを務めるリー・ウェルドン氏は、Computer Weeklyのインタビューに答えて、非常に先進的な考えを持ち、テクノロジーの戦略的な使用を検討するCDOを雇用する流れから、この調査結果は企業が実際にデジタルビジネス戦略に力を注いでいることを示すものだと語った。

 工業機器や医療装置を製造する米GEは、ソフトウェアに重点を置いたビジネスモデルへと徐々に転換している企業の例だ。同社は、Predixという産業用アプリケーションプラットフォームを作成し、ここでアプリケーションを構築するようになっている。

 Computer Weeklyが最近行ったインタビューで、GEソフトウェアのバイスプレジデント、ビル・ルー氏は次のように話した。「このプラットフォームで40個のアプリケーションを完成させている。その中の1つ、風力タービン事業のPowerUpは、天候とタービンのデータについてのセンサーを使用することで、オペレータが物理的な変更を加えることなく電力生産量を最大5%増やすことができるベストプラクティスを開発し、顧客の利益を20%向上した」

 ルー氏はもう1つの例として、米Columbia Oil and Gasで導入している石油パイプラインの監視アプリケーションを挙げた。「当社は、センサーデータとColumbia Oil and Gasが別の拠点で所有する施設からのデータを結び付けて、リスクモデルを作成している」と同氏は話す。「その結果、発生しているあらゆる問題のリスクを評価し、将来パイプラインのどこに問題が発生しそうか予測できるようになった」

 このようなテクノロジーは、世界中にある約320万キロも張り巡らされた石油パイプラインを、石油会社が安全かつ効率的に設置、保守、管理するのに役立つだろう、とルー氏は語る。「これがスマートパイプラインという考え方だ」

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