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» 2015年05月13日 08時00分 UPDATE

ビッグデータ利活用と問題解決のいま:米国で進むビッグデータの相互運用性の標準化とセキュリティ (1/3)

2014年5月にホワイトハウスがビッグデータ報告書を公表して早一年が経ち、米国ではビッグデータに関わるイノベーションと同時に標準化の活動も急ピッチで進んでいる。今回は最前線の動向をお伝えしよう。

[笹原英司,ITmedia]

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加速するビッグデータ標準化に向けた包括的な枠組みづくり

 2012年3月に、米ホワイトハウスの大統領行政府がビッグデータに関わる研究開発支援策を発表した後、セキュリティ/プライバシーを含む技術規格の標準化活動に関して、国立標準研究所(NIST)が主導的な役割を果たしている。また消費者保護の観点から、米国連邦取引委員会(FTC)も制度的な仕組みづくりにフォーカスした活動を積極的に行っている。下表は大統領行政府、NIST、FTCのビッグデータに係る主な取組を整理したものである。

年月 所管機関 内容
2012年3月 大統領行政府 「Big Data Research and Development Initiative」(関連PDF)を公表
2013年6月 NIST NISTビッグデータワーキンググループ(NBD-WG)のキックオフミーティング(関連PDF)を開催
2013年7月 FTC 13歳未満の子どもを対象とした児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)の改正規則を施行
2014年5月 大統領行政府 「BIG DATA: SEIZING OPPORTUNITIES, PRESERVING VALUES」(関連PDF)を公表
2014年5月 FTC 「Data Brokers: A Call for Transparency and Accountability」(関連PDF)を公表
2014年9月 FTC ワークショップ「Big Data : A Tool for Inclusion or Exclusion ?」を開催
2014年10月 NIST IEEEビッグデータカンファレンスにて、NISTビッグデータパブリックワーキンググループ(NBD-PWG)のワークショップを開催
2015年3月 FTC プライバシー、データセキュリティ、スマートホーム、ビッグデータ、IoTなど次世代の消費者保護を目的とした技術研究・調査室(OTRI)を新設
2015年4月 NIST NISTビッグデータパブリックワーキンググループ(NBD-PWG)が、ビッグデータ相互運用性フレームワーク・バージョン1.0草案

 このうち、NISTのビッグデータパブリックワーキンググループ(BD-PWG)は、ホワイトハウスのビッグデータ研究開発支援策に基づき、ビッグデータに関わる全セクター共通の定義、分類、リファレンスアーキテクチャ、技術ロードマップを構築することを目的として設置された公開作業グループであり、以下のような課題に取組んでいる。

  • ビッグデータのソリューションを定義する特性は何か?
  • ビッグデータはわれわれがこれまで遭遇してきた伝統的なデータ環境およびそれに関連するアプリケーションとどのように異なるのか?
  • ビッグデータ環境に不可欠な特徴は何か?
  • このような環境を現在展開されているアーキテクチャとどのように統合するか?
  • 堅牢なビッグデータソリューションの展開を加速させるために取り組むべき科学や技術、標準化の中心課題は何か?

 そして、NPD-PWGの標準化活動の具体的な成果物となるのが、「ビッグデータ相互運用性フレームワーク」である。「定義/分類」「ユースケース/要求事項」「セキュリティ/プライバシー」「リファレンスアーキテクチャ」「技術ロードマップ」の各分科会が、以下のようなステージごとにアウトプットを策定・公開する方針で作業を進めてきた。

  • ステージ1:上位レベルのビッグデータ・リファレンス・アーキテクチャの主な要素で、技術やインフラストラクチャ、ベンダーに依存しないものを定義する
  • ステージ2:NISTビッグデータ・リファレンス・アーキテクチャ(NBDRA)の要素間の一般的なインタフェースを定義する
  • ステージ3:一般的なインタフェースを介してビッグデータの一般的なアプリケーションを構築することにより、NBDRAを検証する

 クラウドコンピューティング、モバイル、IoT(モノのインターネット)、ソーシャルメディアなど、様々な要素技術が関わるビッグデータの相互運用性について、最初に抽象度の高い包括的な共通フレームワークを定義し、インタフェースからアプリケーションへと粒度を細かくしていく方向で、標準化活動が進んでいるのが特徴だ。

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