ITシステムの表示言語が母国語=日本語だと少しホッとします。しかし、だからゆえのトラブルもあります。では、日本語版と“日本語化版”、何が違うか分かりますか?
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以前の記事でも少し触れた「日本語化」。
日本人にとって、母国語での表示はフレンドリーであり、ホッとするものですが、システムにとってみれば必ずしもよいとは限りません。
日本語だからゆえのトラブルもあります。リスクマネジメントの一環として、今回はここを考えてみましょう。
メーカーでは、日本語対応にあたり3〜5段階のグレードを設けて検討します。
「1」は、完全な英語版。日本語を含めた2バイト文字環境は意識されておらず、日本語環境で利用するのは危険です。メーカー側も“非対応”と明言することがあります。
「2」は、Unicodeや2バイトなど、「1」に日本語の入出力も考慮したものです。「はい」「いいえ」などを除き、インタフェースは基本的に英語です。メッセージやログも英語ですが、日本語を扱えますので日本語OSでの利用を認定(サポート)することもあります。
「3」は、日本語“化”版です。日本語化パッチや言語パック、MUI(Multi User Interface、Multi-Lingual User Interface)が適用された英語版のことです。見た目の大半は日本語表示になりますが、内部のやり取りやログ出力などは英語で行います。
一般的な日本語版は「4」です。インタフェースはもちろんのこと、出力メッセージやログまでもが可能な限り日本語に訳されている状態です。多くはインストール作業から日本語で行えます。
例えば、WindowsやMicrosoft Office。昨今では統合されつつありますが、現時点(2015年7月時点)ではまだ「3」と「4」の2種類が存在します。日本で利用されるPCの大半は日本語版(「4」)ですが、多国籍企業ではPCヘルプデスクの運用簡素化から、英語版に日本語言語パックを適用して利用するケース(「3」)も見られます。
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