オラクルが示す「儲けるクラウド」の根拠Weekly Memo(1/2 ページ)

日本オラクルが先週、クラウドプラットフォームの新サービスを発表した。AWSと真っ向から戦うのか? クラウドサービスで“儲ける算段”はついているのか? 同社首脳陣にズバリ聞いてみた。

» 2015年07月27日 17時00分 公開
[松岡功ITmedia]

クラウドプラットフォームを一段と強化

 「オラクルのクラウドサービスは、グローバルで200%増、日本では440%増と急成長している」

 日本オラクルの杉原博茂社長は、同社が7月23日に開いたクラウドプラットフォームの新サービスの発表会見でこう強調した。ちなみに杉原氏が語った増加率は、オラクルの米国本社および日本法人における直近の四半期(2015年3〜5月期)の新規受注金額成長率を指す。もっともオラクルがグローバルでクラウドサービスに本腰を入れ始めたのは昨年(2014年)秋からなので、まずは事業として順調に立ち上がったというところか。

 日本オラクルが国内提供に向けて新たに発表したのは、高速データベース専用機「Exadata」をクラウド上で利用可能にした「Oracle Database Cloud−Exadata」、ビッグデータ処理をクラウド上で行えるようにした「Oracle Big Data Cloud」、リッチなモバイルアプリケーション基盤「Oracle Mobile Cloud」、SaaS間の連携基盤となる「Oracle Integration Cloud」、ビジネスプロセス連携とオートメーションの基盤となる「Oracle Process Cloud」の5つのPaaSと、長期保存に適したストレージサービス「Oracle Archive Storage Cloud」というIaaSの合計6サービス。

 オラクルのクラウドサービス群を下図に示した。杉原氏によると、PaaSおよびIaaSにおいて緑色の部分がすでに発表済み、青色の部分が今回発表したサービスだという。同氏は「この図で言いたいのは、SaaS、PaaS、IaaSのすべての領域をカバーし、とりわけPaaSにおいてこれだけのサービスをラインアップしているのはオラクルだけということ」と力説していた。


photo オラクルのクラウドサービス群(出典:日本オラクルの資料)

 また、日本オラクルでクラウド事業を統括する三澤智光副社長は、オラクルのPaaSのメリットとして「事前統合された包括的なソリューション」「自動化による初期設定・管理のコスト低減」「効率化された高い開発生産性」「TCOの削減」といった4つが挙げられると説明。さらにその最大の特徴について、「オラクルのPaaSでは、オンプレミスで開発したものをクラウドへ、あるいはその逆の流れについても非常にシンプルに移行できる。エンタープライズ向けにこうした統一したプラットフォームを提供しているのはオラクルだけだ」と強調した。

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