毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「人工知能研究の歴史」即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)

近年、何かと話題になっている人工知能。1940年代に始まった人工知能の研究は、どのような道のりを辿って現在に至るのか。今回は人工知能研究の歴史を紐解く。

» 2015年09月11日 08時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


人工知能研究のはじまり

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 「電子頭脳を実現する」――。1940年代、プログラム可能な電子計算機の登場に触発され、思考する機械が作れるのではないかという議論が始まったといわれています。

 当時、最新の神経学の成果として「脳の神経細胞は、電気的ネットワークで構成され、ONとOFFのパルスの組合せによって思考する」ということが分かってきました。「思考機械」の研究は、この仕組みを機械で再現しようというところから始まったのです。そのときはまだ、コンピュータが普及する前だったこともあり、アナログ回路を使った研究が中心でした。

 1950年代に入り、コンピュータが使えるようになると、「数を操作できる機械は記号も操作できるはず」との考えからコンピュータを使った思考機械の研究が始まります。

 1956年、米ダートマスに研究者たちが集まり、「やがて人間の知能は機械でシミュレーションできるようになる」という考えを提唱。これを“Artificial Intelligence(人工知能)” と名付け、企業や政府から多額の研究資金を集めました。

 その2年後、脳の神経活動を数式モデル化し、コンピュータに処理させる初歩的なニューラル・ネットワーク「パーセプトロン」が登場します。また、1960年代に入ると、記号処理のためのルールや数式をプログラム化し、思考や推論など人間が行う情報処理を代行させようという研究も広がりました。

 しかし、コンピュータの処理能力の問題、また、記号処理のルールを全て人間が記述しなければならないという問題から、限界が見え始めました。その結果、実用的な成果をあげることができないまま1970年代に入り、人工知能研究は冬の時代を迎えることになります。

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