スピード経営時代に効く、「アプリ・サービス開発」の新潮流

スピード経営時代のアプリ開発、失敗を防ぐ“3つのポイント”(1/2 ページ)

アプリ開発のスピード化が求められているものの、課題が多すぎて身動きがとれない――。そんな状況を打破するために、企業は開発現場をどう見直し、変えていけばいいのか。

» 2015年11月30日 08時30分 公開
[富樫純一ITmedia]
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 ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、新たなITのトレンドが次々に登場する現代――。企業には、その変化をいち早く捉え、ビジネスに反映させることが求められている。

 そこで重要になるのが、ビジネスの遂行に欠かせないアプリやサービスの開発を、“いかにスピーディーに行えるようにするか”という点だ。社内外のニーズをくんだアプリやサービスをいち早く開発し、社内の業務部門や顧客に提供できれば、先行の利が得られる確率も高くなる。

 中でも急務といわれるのが、モバイルへの対応だ。スマートデバイスの急速な普及でコンシューマライゼーションの波が押し寄せており、あらゆるビジネスの現場でモバイルを活用しようという機運が、これまでになく高まっている。

 しかし、サービス開発のスピード化においては、さまざまな課題も浮上している。デバイスやOSのバージョンが増え、基幹システムとの連携が当たり前になりつつある今、開発のための工数は増える一方で、スピード開発はどんどん難しくなっているのが現状だ。その上、開発スタッフが増え続ける雑務に追われ、本筋である“サービスの質の向上”に使える時間が減っていることも問題視されている。

 スピード化が求められながら、そのための課題が顕在化して身動きがとれない――。そんな状況を打破するために、企業はサービス開発の現場をどう変えていけばいいのか。アプリ/サービス開発現場の最新事情に詳しい、ジェナ 代表取締役の手塚康夫氏に話を聞いた。

スピード経営時代の“モバイル開発”の落とし穴

 モバイル向けアプリ/サービスの開発には、幾つかの落とし穴がある――。ジェナの手塚氏は、モバイルアプリ開発市場の現状についてこう話す。1つは、市場の急拡大に伴う開発ニーズの増加に、ベンダーの対応が追いついていないために起こる“品質の低下”だ。

 「モバイル市場が拡大した現在、残念ながら品質が一段落ちるという状況が生まれています。モバイル市場にビジネスチャンスを見いだそうとするベンダーが急増したことが、その要因。例えば、『クラウドが最適解なのにオンプレミスを選択する』『モバイル向けのセキュリティをPCと同等に考えてしまう』など、経験不足から急成長するモバイル市場のニーズに対応しきれないベンダーも急増しており、それが相対的な品質低下を招いているのです」

 問題は品質の低下にとどまらない。知らず知らずのうちに、無駄な投資を行っている恐れもあると手塚氏は指摘する。

 「これまではサーバの構築もアプリ/サービスの開発も、ばらばらの作法でばらばらに作られるのが一般的でした。そのため、似たようなシステムでも効率よく再利用したり連携したりといったことをせず、それぞれのシステムで同じ機能を開発し、実装するという無駄な投資が行われているケースもあります」

 こうしたモバイル向けアプリ/サービスの課題を解決するには、どうすればよいのだろうか。手塚氏が提案するのは、MBaaS(Mobile Backend as a Service)やMADP(Mobile Application Development Platform)を積極的に活用することだ。

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