AIが“エンタープライズIT”を再定義する

50年以上研究されてきた人工知能、今なぜブームに?AIの「今」を知る【前編】(2/3 ページ)

» 2016年03月01日 07時15分 公開
[やつづかえりITmedia]

今のAIブームのきっかけは、Googleの自動運転車や音声認識

 AIの研究自体は1950年代から始まっており、既に60年もの歴史がある。しかし、最近急速に注目度が上がり「第3次人工知能ブーム」と呼ばれているのには、いくつかの要因があるという。

 1つはAIの具体的な応用例が見えてきたことだ。中でも大きなインパクトを与えたのがGoogleの自動運転車。同社が2012年3月にYouTube上にデモ動画を公開したことから、自動運転を支える技術としてAIに注目が集まった。また、iPhoneのSiriやGoogleの音声検索など、AIによって実現している身近なサービスの浸透も、世間のAIに対する認知度を引き上げたといえる。

Googleが2012年3月に公開した自動運転車の動画

 もう1つは社会的な要因だ。日本はもとより世界的にも、先進国では少子高齢化時代を迎え、今後の労働人口減少による経済や社会への影響が懸念されている。足りなくなる労働力をどう補うか――。その1つの解として、AIを搭載したシステムやロボットの活躍が期待されるようになったのだ。

 読者の方々にとって、AIは不足する労働力を補うというよりは「人間の仕事を奪う」という悲観的な見方の方がなじみがあるかもしれない。どちらにしても、AIが長年の研究の末に実社会に応用可能なレベルにまで発達し、私たちの生活に影響を及ぼす、無視できない存在になったということが、今のブームの背景にある。

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