ニュース
» 2016年03月17日 08時00分 UPDATE

プロマネ1年生の教科書:必ず「Win-Win」になる交渉を生み出す、4つのステップ (1/2)

交渉の場に“丸腰”で臨むのは、始めから成果を放棄しているようなもの。Win-Winに至る良い交渉とは、「互いに条件を出し合い、徹底的に交換し合う行為」だと覚えましょう。そのためには、細かい準備が必要なのです。

[岩淺こまき,ITmedia]

連載:プロマネ1年生の教科書

 現代のプロジェクトマネジャーは、昔よりも難しいといわれています。多様な人材や混沌とした状況に苦しみ、「自分は向かない」と自信を失うこともあるでしょう。この連載は、プロマネになりたての人や、役職に就いたが“やることが山積みで、関係者の間で日々翻弄されている”人が、限られた権限やリソースの中で「ヒューマン/ビジネススキル」を使ってチームをよい状態へ導くことをテーマに、さまざまなスキルや活用法をご紹介します。

 要件定義を終えた後なのに、顧客から突然の仕様変更が――。前回はそんな状況を例に、交渉における心構えと対処の4スタイルについてご紹介しました。

 今回は具体的に「Win-Win」となる交渉を目指す方法を解説します。Win-Winとはコンフリクトが起きたときに、双方の納得が得られるスタイルのこと。二度と関わらない顧客や協力会社ならば、ずっと「Win-Lose」で自分や自社の利益や希望を押し通してもよいのかもしれませんが、実際のところ、一過性の関係というステークホルダーは少ないはず。互いの関係を長いスパンで考えれば、やはり「Win-Win」のスタンスが無難でしょう。

 交渉でWin-Winに持ち込むには、次に示す4つのステップが必要です。1〜3までは、事前に行うべき準備です。交渉(調整)するにあたって、丸腰で臨んでもうまくいきません。準備をおろそかにすると、味方であるはずの自社の人間が勇み足をして、地雷を踏んでしまう――といったことにもなりかねません。

  1. 先方の「Win」を知り、自分側の「Win」を設定する
  2. 自分側の「交渉可能な幅」を設定し、責任者や関係者と共有する
  3. 先方と“すり合わせる”ための細かいアイデアを検討する
  4. 先方と交渉し、合意を得る

1.先方の「Win」を知り、自分側の「Win」を設定する

 前回の記事で触れた通り、急な仕様変更など、何らかのコンフリクトが発生した際にすぐ、相手の「Win」は確認しておきましょう。その場で可否を性急に返答するのではなく、「相手の望むこと」「なぜその話が出てきたか」など、相手の「Win」を探ります。仮に事前に行えなかったとすれば、交渉時にあらためて聞き出すことです。

 重要なのは、「今回のベストは何か」を確認すること。「仕様変更を受けないこと」がWinかもしれませんし、「納期を延ばして仕様変更を受けること」がWinの場合もあるでしょう。いずれにしても、何を「Win」とするかは当然設定しておきます。

2.自分側の「交渉可能な幅」を設定し、責任者や関係者と共有する

photo 調整可能な項目は切り札のようなもの。たくさん準備するに越したことはありません

 互いのWinを確認したら、次は調整可能な項目を把握します。自らの要望について、調整できる項目を複数出しておき、それぞれに対して合意ができる範囲をあらかじめ決めておくのです。

 交渉の場では、仕様変更を「受けない場合」も「受ける場合」も“●●を条件として……”という話にしましょう。仮に条件もなく「仕様を変更してほしい」「受けない」と言い合えば水掛け論になりますし、無条件に仕様変更を受けてしまうと「Lose-Win」となり、自社内の不満と不利な前例を生みかねません。

 そのため、“その条件として……”と調整し合える項目と許容範囲を定め、その範囲内で相手と合意を取るのが、互いにとってプラスになります。ポイントは「調整可能な項目をなるべく多く列挙し、幅を持たせること」です。今回のケースではイメージとして、次のようなリストを作成すると良いでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ