クラウド接続時のセキュリティ対策機能を強化――モバイルアイアンCEOが会見

アプリ単位でのVPN接続や利用アプリのきめ細かい制御などが可能になるという。

» 2016年04月12日 13時25分 公開
[國谷武史ITmedia]

 モバイルセキュリティ専業の米MobileIronは4月12日、モバイル端末からクラウドサービスを利用する際のセキュリティを強化するという新製品「MobileIron Access」を発表した。製品発表に合わせて新CEOのバリー・マインズ氏が経営方針も表明している。

 MobileIron Accessは、クラウドサービスのアプリケーションやデータを、企業が許可している端末、ユーザーから利用できるようにするソリューション製品。アプリ単位でのVPN接続やきめ細かいアクセスの制御、ユーザーや端末におけるクラウドの利用状況の可視化、SAMLによるクラウドアプリケーション間でのシングルサインオンなどの機能を提供する。

従来のモバイル接続はPC+VPN経由である程度管理できたが、スマホなどの普及からBYODで私物を使うケースが登場するなど、企業としての管理が難しくなってきたという

 当初の対応端末はiPhoneやiPad(iOSデバイス)、対応するクラウドサービスはBox、Google Apps for Work、Microsoft Office 365、Salesforceで、今後は対応端末やクラウドサービスを拡充していく。

 同社は、端末からクラウドを利用する際のセキュリティ機能を既存製品でも提供しているが、従来はポリシーに違反する接続を遮断するなどに限定されていた。新製品ではよりきめ細やかな制御や管理ができるとし、例えば、未許可の端末やアプリによる接続を遮断した際に、ユーザーにその理由を通知したり、アクセスログを保存したりできるようになるという。

MobileIron Accessの仕組み

IoTのセキュリティ対策も視野に

新CEOのバリー・マインズ氏

 2016年1月に就任したマインズ氏は、Intel傘下のエンベデッドソフトウェア大手Wind Riverの会長を直近まで務めた人物。MobileIronへの参画について、「PCからモバイルに大きくシフトしているが、モバイルセキュリティ市場はまだ初期段階にあり、今後の成長が大きく期待される分野だ」とコメントした。

 モバイルセキュリティ市場を拡大する要因に同氏は、ビジネス向けモバイルアプリの利用拡大やWindows 10の普及、PCとモバイル端末の統合的な管理への変化、IoT(モノのインターネット)機器の爆発的な普及を挙げ、専業ベンダーとしてiOSやAndroidなどのモバイルプラットフォームとは中立的な立場にある点が強みなるとした。

 現在のビジネスは企業でのモバイル利用向けソリューションが中心だが、既にIoT分野でテストプログラムに着手しているといい、将来はコネクテッドカーやインターネット家電、センサ機器などのセキュリティ対策の一角を担うという構想を表明した。

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