いよいよ電子メールの研修が始まったが、新入社員たちは電子メールというツール自体には抵抗感がない様子だ。電子メールとメッセンジャーは違うこと、メールの文章にも書式があって、本題の前に「あいさつ」や「名乗り」をしなければならないことなど、いわゆる“電子メールマナー”があるということは知っている。
彼らは単に「それをどう書けばいいか分からない」という状態なのだ。だから、基本的な書式やマナーを教えると、それ自体には納得してくれる。今どきのヒトたちのすごいところは、「やってね」とお願いしたことはちゃんとやってくれる点だ。とても素直で前向き。「えー、何でそんな面倒なことしなくちゃいけないんっすかー」とか「それ覚えなきゃいけないっすかー」とかの反発(?)を警戒していた私にはちょっと肩すかしかも。
電子メールとメッセンジャーとの違いはいろいろあるけれど、大きな違いの1つに「メッセンジャーにはCcやBccがないこと」がある。メッセンジャーソフトは、同じメッセージを複数のユーザーに同報送信する場合も、基本は全て「To」に相当する。
話を聞くと、このCcやBccの正式な使い方を知らない人が多くて驚いた。なんと同報メールについても、何も考えずに宛先アドレスを全てToやCcに入れていたらしいのだ。中には「1人にメールを送る時はToを使い、2人以上の人に同時に同じ内容のメールを送るときは、2人目以降はCcを使う」と信じて疑わなかった人もいた。それ、一体誰から教わったのよ。
わたし: あー。それって場合によっては情報漏えいになるんだよ。
新入社員: え、そうなんですか!?
情報漏えいという言葉には多少なりとも敏感なようだけれど、電子メールアドレスも個人情報になりえること、Ccに入れた宛先はそのメールの受け取り手全員に知られてしまうこと、などは知らなかったらしい。
「個人情報保護に関する詳しいことは情報セキュリティで説明するけれど」と前置きしたうえで、電子メール絡みの情報漏えい対策に関しても簡単に解説する。新入社員たちは真剣に耳を傾けてくれた。さすがデジタルネイティブ。このあたりは真剣に考えてくれている様子だった。もちろん、“彼らなり”なのだけどね。
と、突然、質問の手が上がった。
新入社員: すいません。ここに書いてある“機種依存文字”って何ですか?
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