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» 2016年08月03日 08時00分 UPDATE

クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方:第20回 大量データで逆に安全? 注目されるブロックチェーンの仕組み (1/2)

たくさんのデータが拡散することでリスクが高まると思いがちですが、意外にもその状況に対応する技術を活用すれば、むしろ安全になると期待されています。今回はFinTechで注目されているブロックチェーンとストレージの関係をひも解いてみましょう。

[井上陽治(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

 最近頻繁に聞くようになった「フィンテック」(FinTech)は、金融(Finance)にIT(Tech)を応用するものですが、ここで「ブロックチェーン」という言葉が登場しています。このブロックチェーンは、単に金融取引の流動性を高めるだけでなく、データの改ざんを見抜く新しい技術としても注目されているのです。今回は、ブロックチェーンがストレージにどう関係するのかについて見てみましょう。

とまらないクラウド時代のデータの拡散

 いまやクラウドの時代です。従来のように、データを一カ所にまとめてその“建屋”を守るといった発想ではなく、オフィスとデータセンター、さらにはデータセンター間で行われるデータのやり取りの範囲を守るというのが現状です。

 パブリッククラウドを利用する場合はどうでしょうか。ユーザーが「SLA」(Service Level Agreement:サービスレベルを明確に規定するもの)で厳格にデータの保管場所を特定しておかない限り、通常はクラウド業者側が自前のデータ保護ポリシーに則って、データの複製やバックアップを、彼らのデータセンター間で行います。汎用のクラウドサービスを利用したストレージサービスなら、事態はもっと複雑になるでしょう。読者の皆さんも、ご自身の写真や動画、つぶやきなどがクラウド上のストレージのどこに保存されているかなんて、皆目見当がつかないと思います。

 このように、データがどこにあるのかわからないくらいに拡散すると、そのデータのセキュリティレベルもだんだん怪しくなってきます。だからといって再び一カ所に集めて厳重に管理しようとすると、データが拡散し続けていく現代においては、とてつもないコストになることが予想されます。

 ところが、「データが拡散すればするほど安全になる」といった不思議な現象を起こす技術があるのです。それが、ブロックチェーンです。

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