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» 2016年09月23日 08時00分 UPDATE

テクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」:第50回 「自分のスキルは通じる?」 インフラエンジニアのキャリア事情 (1/3)

技術者としては、自分のスキルをぜひ知りたいですし、外の世界で力試しをしてみたいものです。その前に知っておきたい“ココヘン”的な事実とは?

[小川大地(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]
ココヘン

 2015年1月にスタートしたこの連載は、ついに50回目を迎えました。読者の皆さん、ありがとうございます! 節目の今回は、「ITエンジニア」のスキルやキャリアパスについて考えていきたいと思います。

 これを取り上げるのは、立て続けに知人の悩み事を聞いたためです。いずれも「外資系に転職したい」「自分のスキルは世界に通じる?」「これから何を勉強していけばよい?」だったのですが、もしかしたら同じ悩みを抱えている方が多いのかなと感じています。それでは進めていきましょう。

外資系に転職したい!?

 今日のITインフラは欧米の製品・技術で成り立っている――。これは私の持論であり、本連載でも幾度となく取り上げてきました。こういった経緯もあり、「ITインフラ業界にいるなら、転職先は外資系」という相談を受けることがあります。外資系IT全般を見るとコンサルファームやグローバルSIベンダーなどもありますが、ITインフラになると基本的にはメーカーへの転職希望です。

  • 「私は○○製品のスペシャリスト。○○をもっと極めたいので、開発元に入社したい。」
  • 「私は△△社の最上位資格保持者。日本に数人しか居ないほどなのに、ですが、その会社の中途採用試験に落ちました……。」

 ITコミュニティなどに参加すると、ある特定の製品やテクノロジーに長けているエンジニアを見かけます。その製品や技術にほれ込み、時には文書化されていない仕様や挙動を把握したく、リバースエンジニアリングしてしまうほど。その分野のコミュニティでは“神”と崇められるほど貢献しているのに、意外とその開発元に入社できないのは、なぜでしょう?

 この理由の一つとして、正確な理由は分かりませんが、これは売り手(転職希望者)と買い手(採用担当者)のギャップから来ているのではと思っています。少し買い手の立場に立ってみましょう。

 買い手の立場からすると、それほどの有識者はパートナー、エンドユーザーの立場で活躍してほしいところ。社員が自社製品を良く言うよりも、パートナーやエンドユーザーが代弁してくれた方が、他のユーザーも納得いくでしょう。社員としてone of themで活躍してもらうより、only oneな“広告塔”でいてくれた方が合理的、という冷静な判断です。

 もう一つ買い手の立場からすると、意外にも細かく深いスキルを求めていません。例えば、先ほど挙げた文書化されていない仕様や挙動。外の世界ではなかなか知り得ない“強み”ですが、開発元社内ではさほど重宝されません。その仕様を作った本国の開発チームに尋ねれば済む話だからです。次バージョンでは仕様変更されることも多々あります。つまり、メーカーの現地法人の技術職は、特定の製品に対する、度を越えた深いスキルは求められてなく、むしろ販売拠点としてのプリセールス的なスキルが求められている傾向があります。

 例外として、トラブルシュートや障害解析を行うテクニカルサポート部隊や、本国の開発部門であればその技術力は優遇されます。しかしながら、実際に紹介しても「サポート部門は嫌だ」とか「家族がいるし」「英語が……」などで辞退されることも多く、両者の想いはなかなか通じ合いません。

ココヘン 拠点では、むしろプリセールス的なスキルが優遇される傾向があります
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