ソニービルと3.5インチフロッピーディスクの思い出仕事と生活と私――ITエンジニアの人生(3/3 ページ)

» 2016年11月23日 08時00分 公開
[横山哲也ITmedia]
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“The Network is the Storage”が、今や……

 現在はFDを使っていない。WDSはWindows PEをネットワーク起動するため、FDもCDも使わない。演習中に作成したファイルは、インターネット上のサービスを使ってファイルを転送する。

 ちなみに「Windows Server 2012」のHyper-Vは物理FDを扱えないし、第2世代仮想マシンに至ってはそもそもFDが使えない。FDは、もはや過去の遺物となった。

 マイクロソフト、シスコ、オラクルの各ベンダー提供の講習会では、講習会評価アンケートのためにインターネット接続が原則として必須となっている(例外は認められている)。また、オンライン教材を使う講習も増えているので、インターネット接続がなければ講習会自体が成り立たない。

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 “The Network is the Computer(ネットワークこそコンピュータ)”はSun Microsystems(後にOracleに吸収合併)が創業以来のキャッチフレーズとして挙げていたものである。そして、現在は、ストレージもネットワークとなった。起動システムもデータもネットワーク上に配置できる。

 現在、起動システムは社内LANのみをサポートするのが普通だが、将来、きっとインターネット上のOSイメージをロードして起動するシステムができるだろう。既にWAN越しにシステムをロードして起動する技術はあるのだから、不可能ではないはずだ。

 全てがネットワーク上に集約されるのは時代の流れである。現在、サーバエンジニアとクライアントエンジニアの境界は曖昧だが、ネットワークエンジニアとは明確に分かれていることが多い。しかし、サーバとクライアントとネットワークはセットで設計しなければならないはずだし、今後はますますその傾向が強くなる。

 フロッピーディスクの最期を思いながら、そんなことを考えた。

著者プロフィル:横山哲也

グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、Windows ServerなどのIT技術者向けトレーニングを担当。Windows Serverの全てのバージョンを経験。趣味は写真(猫トライブ)。詳しいプロフィルはこちら


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