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» 2017年01月20日 13時00分 UPDATE

オープンソースビジネス勉強会:システムインテグレーターにとって、オープンソースは難しい?

これからのSIerが取り組むべき「差別化」戦略の有効な手段は、オープンソースの活用。そこで、オープンソースビジネスの特徴の1つである、ユーザー企業やシステムインテグレーターが行う「システム開発においてオープンソースを活用するビジネスモデル」について解説します。

[寺田雄一,ITmedia]

この記事は寺田雄一氏のブログ「オープンソースビジネス勉強会」より転載、編集しています。


オープンソースを活用する

 前回は、オープンソースビジネスを5つに分類しました。今回ご紹介するのは、その1つ目。ユーザー企業やシステムインテグレーターが、自社のシステム開発や運用の生産性向上を目的として、オープンソースを活用するモデルです。この場合、オープンソースはビジネスの手段ではなく、生産性向上などを達成するためのツールという位置付けです。そういった意味で、厳密にはオープンソースビジネスとは呼ばない方がよいかもしれません。

ユーザー企業やシステムインテグレーターがオープンソースを活用するべき理由

 ユーザー企業やシステムインテグレーターがオープンソースを活用する理由としては、コスト削減のほか、IT導入のスピードアップ、事業環境への柔軟な対応、ITエンジニア不足への対応などがあります。

 今後、特にシステムインテグレーターはこのモデルに対応することが必須になると考えられますが、難しい点もあります。

Photo オープンソースを活用する

システムインテグレーターにとっての難しさ

 難点の1つ目として、システムインテグレーターは従来、基本的には自社製品を持たず、外部のソフトウェアを購入していたため、障害時などは購入元のソフトウェアベンダーに対応依頼をすればよかったのですが、オープンソースを活用した場合は自分たちでソースコードを読み、原因を突き止め、修正しなければなりません。「ソースコードを読むこと」と「ソースコードを修正すること」に対して、多くのシステムインテグレーターは「ハードルが高い」と感じるようです。

 しかしながら、システムインテグレーターであれば、他人(他の社員)の書いた「ソースコードを読むこと」は日常的な業務ですし、それを修正することも多いはずです。著者は、システムインテグレーターが「難しい」と考えているのは、多くはそう思い込んでいるだけで、ほとんどのシステムインテグレーターはオープンソースを自社でサポートするだけの技術力を持っていると考えています。また、外部のオープンソースサポートサービスを活用する方法も、もちろんあります。

Photo

 2つ目は、オープンソースライセンスへの理解です。正しく理解すれば、必要以上にセンシティブになることはありません。オープンソースを社内で活用している範囲では(組み込み機器やパッケージ販売での利用でなければ)、それほど問題になりません。オープンソースライセンスについては別の機会に説明したいと思います。

 3つ目は、組織についての議論です。システム開発でオープンソースを活用する本ビジネスモデルの場合、中堅以上のシステムインテグレーターでは、オープンソースを扱う専門組織を設立するケースも多いと思われます。この場合、この組織が「コストセンター」なのか、それとも「プロフィットセンター」なのか、ということをきちんと定義しておく必要があります。多くの場合、「コストセンター」という位置付けになると思われます。これが明確であれば問題ありません。

 問題は、「プロフィットセンター」と位置付けられた場合です。この場合オープンソース専門組織は、外部の顧客に対するサービス提供と、社内の他部署に対するサービス提供の、両方を行うことが多いと考えられます。しかしながら、この2つは利益が相反する場合があります。例えば、オープンソース専門組織の利益を追求すれば外部顧客を優先するべきですが、会社全体の利益を追求すれば社内支援を優先した方がよいということになります。ここで会社全体の利益を追求するということは、結局は「コストセンター」です。このような観点で、オープンソース専門組織のミッションを定義しなければなりません。

Photo オープンソース専門組織のジレンマ

 オープンソースの活用は既に「常識」になってきています。オープンソースビジネスには特に力を入れない、というシステムインテグレーターであっても、このビジネスモデルの活動は、程度の差はあっても必ず実施する必要があります。

 次回は、オープンソースをサポートする「OpenStandiaモデル」について解説します。

著者プロフィル:寺田雄一

(株)オープンソース活用研究所 所長。 IT業界の多段階請負構造の改革を進めるため、30社以上のIT企業に対してマーケティング支援「マジセミ」、採用支援「マジキャリ」を行っている。マーケティング支援はセミナーを中心に行っており、年間200回を目標に開催。詳しいプロフィールはこちら


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