企業のPCをクラウドサービスと同様に利用できるようにした「Device as a Service」。日本HPが2016年8月に提供開始したサービスだが、今後、他のベンダーも参入して激戦区になるかもしれない。
日本HPが先ごろ、今後の事業戦略について記者説明会を開いた。同社は2015年11月に米Hewlett Packard(HP)が分社してPCとプリンタ事業を担った米HP Inc.の日本法人である。企業向け事業では分社したもう一方の米Hewlett Packard Enterprise(HPE)の日本法人である日本ヒューレット・パッカードが話題に上るケースが多いが、PCとプリンタ事業については日本HPが企業向けも担っている。
日本HPの岡隆史社長は会見で、分社後の主な取り組み(図1)や今後の製品戦略(図2)について説明。そのうえで「分社後の1年はPCとプリンタに求められるスピーディーな事業展開や、革新的な製品・サービスを提供するための体制づくりにあらためて力を入れてきた。これからはなお一層、グローバルなHPの先進技術を日本のお客さまに活用していただける製品・サービスに仕立て上げてお届けしていきたい」と、今後に向けての決意を語った。
岡氏の話の中で、筆者がかねて注目しているサービスがある。図1に取り上げられている「Device as a Service」だ。これは、PCおよびそのライフサイクル管理を一元化し、月額料金のサービスとして提供するものである。
HPが提供するDevice as a Serviceは、業務に必要なPCの技術とサポートを効率的に導入するため、PCを購入して「所有」するのではなく、サービスとして「利用」するというコンセプトに基づくサービスである。PCとともに提供されるPCライフサイクル管理の主なサービスメニューは、図3に示した内容となっている。
これはすなわち、企業のクライアントPCもクラウドサービスのように利用する時代が来ると見越してHPが打ち出したサービスである。筆者が注目したのもこの見立てにある。
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