サポート終了の悪夢再び? 3年後に迫るWindows 7のEOSで起こることMicrosoft Focus(1/2 ページ)

2020年のWindows 7の延長サポート終了を前に、Windows 10への移行に際して企業に求められる移行計画のポイントとは? Microsoftは、導入後のWaaSによる継続的更新の仕組みへの理解を推進する。

» 2017年04月08日 11時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 Windows Vistaの延長サポートが、2017年4月11日に終了する。

 Microsoftの製品サポートは、製品発売後、最低5年間のメインストリームサポートと最低5年間の延長サポートによって、合計で最低10年間のサポートが提供されることになっている。Windows Vistaの場合、2007年1月30日に発売され、それから10年を経過して、いよいよ延長サポートが終了することになる。

 サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムや有償サポートを含む、全てのサポートが受けられなくなることから、日本マイクロソフトでは最新OS、Windows 10への移行を推奨している。

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 だが、業界の関心は、既に3年後の2020年1月14日に延長サポートが終了するWindows 7へと移っている。企業においてはWindows VistaよりもWindows 7の方が多く利用されており、このままでは、かつてのWindows XPの延長サポート終了時のような「騒動」が巻き起こる可能性があると指摘されているからだ。

 IDC Japanは3月に発表した予測で、Windows 7の延長サポートが終了する1年前の2019年におけるWindows 7搭載PCの残存率は、全企業のPCのうち、34.6%に達すると推計した。これは、Windows XPの延長サポート終了1年前の残存率が29.3%であったことと比較すると高いことが分かる。

 IDC Japanによると、2016年時点でWindows 10への切り替え計画がある企業は約56%にとどまっている。このうち、大企業では3社に2社(約67%)が切り替えを計画しているものの、中堅中小企業では約45%と半数を切っている。さらに、これらの切り替え計画がある企業を対象にした場合、Windows 10への切り替え進ちょく率は、2019年時点で65.4%にとどまる。IDC Japanでは、ここから34.6%という残存率を導き出している。

 IDC Japan PC携帯端末&クライアントソリューションシニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、企業におけるWindows 10への移行の主な阻害要因について、既存システムとの互換性の問題が大きいと指摘。「まだ評価していない企業は約20%あり、企業では早めにWindows 10への移行計画を立てると同時に、評価を早く進め、そこでの問題点を把握し、PCベンダーと解決していくことが必要である」としている。

 Windows XPの延長サポート終了時には、2013年後半〜2014年前半にかけてPCの買い替え特需が発生し、国内のPC出荷台数は過去最高を記録した。今回の調査結果をもとに、IDC Japanでは、2019年には、同様に大量のPC買い替えが起こり、その後に一気に企業PC市場が冷え込むと予測している。

 「短期間に需要が集中し、その後低迷が長く続くと、PCベンダー、部品メーカー、販売チャネルなどPC業界関係企業においてビジネスプランニングが困難になり、事業継続が難しくなるプレーヤーが出てくることが懸念される。同時に、ユーザー企業にとっても単年でのPCの大量買い替えは、急激なIT予算の出費となり、他のIT予算や会社の経費全体に対して大きな負担になると考えられる」とし、「このような事態を避けるために、PC業界が一丸となって、ユーザー企業におけるWindows 10への移行を促進し、PC買い替え需要の平準化を進めることが肝要であるとIDCでは考えている」(浅野氏)

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