“変わらなくてはならない”企業に何を提供できるか MS平野社長が新年度メッセージに込めた思いMicrosoft Focus(1/2 ページ)

新年度を迎えた日本マイクロソフト。平野拓也社長が新たに掲げた「日本の社会変革に貢献する」企業像とは。

» 2017年09月23日 09時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 日本マイクロソフトが、2017年7月からの新年度スタートに合わせて、新たなメッセージを発信した。

 日本マイクロソフトの平野拓也社長が掲げたのは、「革新的で、安心して使っていただけるインテリジェントテクノロジーを通して、日本の社会変革に貢献する」というもの。これを、日本マイクロソフトが目指す新たな企業像と位置付けた。その狙いはどこにあるのだろうか。

進化するMicrosoftの世界観

 新メッセージの狙いに触れる前に、Microsoftがグローバル統一で発信している「Microsoft Mission」に触れておきたい。

 これは、「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.」(地球上の全ての個人と全ての組織が、より多くのことを達成できるようにする)というものであり、2014年2月に、CEOに就任したサティア・ナデラ氏によって打ち出されたものだ。

 それまでのミッションは、「全ての机と全ての家庭にコンピュータを届ける」ことであったり、「全ての指先に情報を」もたらすことであったりした。

 ナデラCEOによって打ち出されたミッションは、「全ての家庭にPCを1台ずつ設置する」というミッションにおいて勝利を手にしたMicrosoftが次の挑戦として掲げたものであり、企業の生産性を高めることや、個人の生活を豊かにすることを盛り込んでいる。

 米Microsoftでは、「全世界の60%の人々がいまだにネットワークにつながっていない状況にあり、そこに格差が生まれている。Microsoftが対象にしているのは、先進国だけではなく、地球上全ての個人と組織であり、個人をエンパワーメントし、国が経済発展できるように、コンピューティングを提供し、より多くのことを達成できるようにすることである。Microsoft Missionには、そうした狙いが込められている」と説明する。

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 そして、このミッションを普遍的なものと位置付ける一方で、Microsoftの打ち出す世界観は、次々に変わっている。

 Microsoftは2017年に入ってから、「モバイルファースト、クラウドファースト」という言葉をやめ、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」という言葉に置きかえた。これはまさに、同社の世界観の変化に連動したものだ。

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 「モバイルファースト、クラウドファースト」では、マルチデバイスによるユーザー体験を実現し、そこにクラウドを活用していくことを示していた。しかし、あらゆるデバイスから大量の情報が発信され、それを分析、活用する時代が訪れたことを捉えて、新たに「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」というメッセージを発信している。

 例えば、コネクテッドカーでは、1秒間に100GBのデータが生成され、これを活用するには、クラウドとエッジを有機的に連動させる新たなテクノロジーを必要とする世界が訪れる。これこそがまさに、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」の世界というわけだ。

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