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» 2017年12月21日 08時00分 公開

SaaS型ERP導入に失敗しないための「5つのポイント」:第2回 SaaS型ERPの導入で新規導入コスト、保守コストを削減できるって本当? (1/2)

SaaS型ERPとオンプレミス型ERPでは、どちらがコスト削減を期待できるのか? 実際にどの程度のTCO(総所有コスト)削減が見込めるのかを、双方を比較しながら解説します。

[徳永康邦/KPMGコンサルティング,ITmedia]

 昨今の企業におけるクラウド採用の動機の1つとして、コスト削減が挙げられます。

 自社でIT資産を持つのではなく、クラウドベンダーが保持するIT資産の一部をシェアすることで、自社が負担するコストを削減するという考え方は、確かに理にかなっています。

 カーシェアリングやシェアハウスのような日本でも根付きつつあるサービスはもちろん、最近では、シェアクローゼット、フードシェアなど、新たなサービスが広まりつつあり、「保有からシェアへ」という流れは止まりそうにありません。

 KPMGが実施した世界のITリーダーに対する調査では、クラウドに投資する理由として、可用性や俊敏性の強化、製品イノベーションの加速、ベストソリューションの選択に続き、コスト削減という回答が上位にあがっています。(図1参照)

Photo 図1 クラウドに投資する理由(出典:Harvey Nash/KPMG 2017年度CIO調査)

SaaS型ERPのTCO削減効果

 今回は、本連載のテーマであるSaaS型ERPに着目し、どのようなTCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)の削減効果が期待できるのか、オンプレミス型ERPと比較する形式で解説します。

 ITmediaエンタープライズの「情報システム用語事典」によると、TCOは、直接的なコストと隠れたコストから構成されます。

直接的なコスト:

  • ハードウェアやソフトウェアの購入費(保守料、ライセンス費)
  • システム開発費

隠れたコスト:

  • (将来的な)アップグレード費用
  • システム部門やシステム管理者の人件費(ユーザー教育やヘルプに費やすサポート費用を含む)
  • ユーザーの人件費(インストールやセットアップなどの作業、部署内ヘルプやサポート作業分)
  • システムダウンやパフォーマンス低下等による業務上の損失およびトラブルシューティングの費用

 これらの構成要素も考慮してSaaS型ERPとオンプレミス型ERPのTCOを比較します。(図2参照)

Photo 図2 オンプレミス型ERPとSaaS型ERPのTCO比較:構成要素別

初期導入時のコスト

 初期導入時の直接的なコストは、ハードウェアやソフトウェアの買い取りが必要なオンプレミス型ERPの方が、SaaS型ERPに比べて高額となります。

 また、隠れたコストについても、従来のオンプレミス型ERPの方が、開発環境の準備やアドオン機能の要件定義、開発、テストに要するIT部門やユーザー部門の工数が必要となるため、SaaS型ERPに比べて高額となることが通常です。

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