インタビュー
» 2018年01月24日 08時00分 公開

【特集】Transborder 〜デジタル変革の旗手たち〜:三井住友海上のRPA導入、そのキーマンは知る人ぞ知るExcel VBAマスターだった (1/4)

わずか1年足らずでRPAの導入に成功した三井住友海上。導入を主導した近田さんは、ビジネスとIT、両者の知見を持つ特異なキャリアと「Excel VBAマスター」という、これまた保険営業らしからぬ、特異なスキルを持った人物だった。

[大内孝子,ITmedia]
photo 三井住友海上株式会社 経営企画部 ICT戦略チーム 課長 近田伸矢さん

 Excel VBAによるWebシステム操作自動化ツールと併用する形でRPAを導入した、大手保険会社の三井住友海上。導入検討を担当した経営企画部の近田伸矢さんは、RPAという言葉が注目される前から、ソフトウェアロボットを内製開発し続けてきた。

 「Webシステムの操作を自動化するツールを、社内で開発、運用していたので、RPAは目新しいものではなかったですね」

 そう語る近田さんは、新卒から同社に営業職で勤め、札幌の営業支社に6年、そのあとは本社の企業営業、営業推進部とずっとビジネス畑を歩いてきた。大学での学部も文系だったということで、金融系企業の営業としては、明らかに異端といえるスキルを持っていることが分かる。

 そんな近田さんのもう1つの顔がExcel VBAの開発者だ。プライベートな活動でExcel上で動作するゲームの開発、Excelゲームクリエイターおよびユーザーのためのポータルサイトなどの運営や、メンバー数が2万人を超えるmixi内のExcel活用コミュニティーの管理人をしていた経歴を持ち、2006〜2015年まで10年連続で「Microsoft MVPアワード(Excel)」を受賞している。

 同社のRPA導入検討を、「20年の経験を持つ営業マン」と「Excel VBAマスター」という、2つの顔を持つ近田さんが担当したことはとても興味深い。

近田さんはなぜ「VBAマスター」になったのか

 職歴からはプログラミングには遠いようにも見えるが、意外にも、近田さんがプログラミングとの出会ったのは高校生のときだ。親に買ってもらったNECの「PC-8800」シリーズで、BASICやZ-80アセンブラプログラミングを覚えたという。

 大学ではプログラミングに全く触ることなく、文系に進む。彼が再びPCに出会うのは1995年、会社にWindows PCが導入されたときだ。しかし、環境は以前とは変わっていた。Basicは姿を消し、代わりにマイクロソフトが出していたのがVB(Visual Basic)だったのだ。

 「当時からVBはあったのですが、これが(価格が)高い。どうしようかと思っていたら、Excel 95にはVBAがあり、実はBasicが動くことを知りました。これがあれば、自由にプログラムを組むことができると思い、Excel VBAにハマっていきました」(近田さん)

 こうしたスキルを生かし、近田さんは営業時代から独自に(!)Excel VBAで作業を自動化するツールを作っており、自分で使うだけでなく、社内イントラ掲示板に掲載し、ユーザーを増やしていったという。営業推進部に異動した後は、現場業務と照らし合わせ、会社に「こんなシステムがあるとよいのではないか」と提案するシステム企画に携わるようになる。

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