RPAとチャットbotの連携で「システムエラー監視」が激変、月間250時間の削減効果も アズワン効率化の切り札に(1/3 ページ)

ビジネスチャットツール「direct」を導入したアズワンは、チャットによる社内コミュニケーションや情報共有の改善とともに、チャットbotを活用した業務の効率化や自働化を進め、成果を得ているという。業務システムのフロントエンドとして進化しつつあるチャットツールが秘める実力とは?

» 2019年02月07日 12時00分 公開
[柴田克己ITmedia]

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 ビジネス現場へのチャットツールの導入といえば、4〜5年ほど前であれば、電子メールの代替やグループウェアのリアルタイム性を補完するといった「コミュニケーション改善」の観点から検討されるケースが多かった。

 しかし近年では、そこから一歩前進し、業務システムの“よりユーザビリティの高いフロントエンド”として、さらには「働き方改革」を視野に入れた定型業務自動化の仕組みとして活用する動きが活発になっている。

 ビジネスチャットツール「direct」を開発するL is Bが1月23日に開催した「direct User Conference 2019」では、そうした先進的なチャットツールの活用を実践している理化学機器総合商社アズワンの事例が紹介された。

チャットは既に“業務に欠かせないコミュニケーションツール”に

 大阪市に本社を置くアズワンは、研究用機器機材、科学機器、看護・介護用品の販売を行っている商社である。1933年創業で、2018年には創業85周年を迎えた老舗だ。カタログとWebショップ「AXEL」を通じた受注販売を中心に展開しており、Webショップでは約300万点の商品を取り扱う。

 同社がdirectを知り、導入の検討を開始したのは2016年6月に大阪で開催された「コミュニケーション改革ツール」に関するセミナーだったという。IT推進本部の箱田真一氏は「当社の働き方を見直すべく情報収集を行っている中で、directの存在を知った。社内連絡であふれ返っているメールボックスの状況を改善したり、FAXしか手段のなかったプッシュ通知の仕組みをペーパーレスに切り替えたりしていくことができるのではないかと感じた」と話す。

Photo アズワン IT推進本部 IT推進部 IT推進グループ マネージャーの箱田真一氏

 同社では、大阪本社の一部の部署からトライアルで導入を開始。その結果、ユーザーからも「メッセージが“既読”になって分かりやすい」「通知に使えるので便利」といった好評価を得た。

 また、導入を行うIT推進部としても、「マニュアルや説明会がなくてもユーザーがすぐに使い始められる」点や、「招待制でユーザーが勝手にメンバーを増やせず、アクセスなどの履歴もログとして記録される」といったビジネスチャットツールとしてのメリットを高く評価。「ユーザーの情報発信頻度も高まって、社内での情報共有レベルが高まった実感を得た」(箱田氏)ことから、本格的な全社採用を決定した。

 直近3カ月の利用状況は、アクティブユーザー数が約520人、メッセージの送受信件数は月間約20万件となっており、FAX、メール、内線といったコミュニケーション手段を一部代替する、業務に欠かせないツールとして定着しているという。

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