5分で分かる、今週のモバイル事情3月12日〜3月18日

» 2005年03月18日 23時42分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

ケータイ、ついに音声定額に

 携帯電話の価格競争が激化しそうだ。PHS事業者で唯一気を吐くウィルコムは、同社契約者同士の音声通話が定額となるプランを発表した。価格は月額2900円(3月15日の記事参照)

 「マイクロセル」というPHSならではの特徴を生かすと共に、NTT回線をバイパスする装置を使うことで定額を実現した(3月15日の記事参照)。カップルなどをターゲットに音声定額利用者100万人を目指す。

 ただし画期的な音声定額のスタートにも、携帯事業者は落ち着いた構えだ。ウィルコムのユーザーは現在約300万契約と少ないことを理由に、「そう大きな影響を受けることはないと思っている」とKDDIの小野寺正社長は話した(3月16日の記事参照)

世界最大、ITの祭典 CeBIT 2005

 独ハノーバーで、世界最大のIT関連展示会CeBIT 2005が開幕した(特集記事参照)。携帯電話関連に絞ると、各社の目玉の1つは“音楽ケータイ”への取り組みだ。

 SonyEricssonが展示した「ウォークマン携帯」は、ソニーのウォークマンブランドを使うことで“音楽に強い携帯”をアピール(3月11日の記事参照)。Nokiaは音楽機能を強化した端末を年内に投入することを明かした(3月12日の記事参照)。期待されたMotorolaのiTunes携帯は結局発表されず(3月16日の記事参照)、MotorolaブースにiTunesコーナーだけが設置されていた。

 音楽以外では、Samsungが7Mピクセルの携帯電話を披露した(3月10日の記事参照)。携帯カメラの高画素化で先行する同社だが、今回の端末ではピクセル数だけでなく、光学3倍ズーム、カメラ用のフラッシュも備えている。外見からはコンパクトカメラにしか見えない。

偽装番号対策、災害伝言板〜インフラ整備整う

 高機能化の一方で、ユーザーが便利にそして安心に携帯を使うためのインフラ整備も着々と進んでいる。

 ボーダフォンは、詐欺に使われることが指摘されていた発信番号偽装について対策を発表(3月14日の記事参照)。ドコモ、KDDIと足並みをそろえて対応が取られた。同じように、災害時に安否情報をWebで確認できる災害伝言板も、ボーダフォンが提供を決めたことで、どの携帯電話でも利用できるサービスとなった(3月17日の記事参照)

 携帯電話のマニュアルをPDFファイルとしてダウンロードできるサービスも、各社の準備が整った。提供済みのKDDI、ツーカーに加え、ドコモが提供を開始(3月14日の記事参照)。ボーダフォンも3月22日から一部機種を除き、基本的にマニュアルをダウンロード可能にする予定だ。

 携帯と固定の請求書を統合するサービスも、KDDIが始める(3月16日の記事参照)。管理が楽になるだけでなく、ポイントプログラムも合算できるほか、割引も用意される。

約1年ぶり〜携帯の出荷台数プラスに

 急速な高機能化とは裏腹に、2004年は携帯が売れない年だった。1年間、対前年同月比でマイナスが続いていた携帯・PHSの出荷台数だったが、2005年の1月に入ってプラスに転じた(3月15日の記事参照)

 2004年は3Gの立ち上げ時期に当たったため思うように伸びなかったが、2005年は3Gの普及期を迎えるターニングポイントになる。3Gへの買い換え需要が加速すると電子情報技術産業協会(JEITA)はコメントしている。

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