Webブラウザは、フルブラウザであるACCESSのNetFrontを採用。表示モードは、端末向けのウィルコム公式サイトやケータイ向けのサイトを閲覧するための「ケータイモード」、Webページを縦一列にリレンダリングして横スクロールせずにPCサイトを閲覧できる「Smart-Fitモード」、PCサイトを通常レンダリングし上下左右にスクロールして閲覧する「デスクトップモード」の3つを備える。またタブブラウズ機能も持ち、最大3つのサイトを同時に開くことが可能だ。
Webページのスクロールが高速なのも特徴だ。上下キーを押しっぱなしで連続スクロールでき、かなり高速に動作する。上下キーでのスクロールは1/3/5行、全画面の切り替えが可能で、メール/Webブラウザキーでは半画面スクロールが行える。上下キーでのスクロールでは、リンクへのフォーカスが優先されるが、キーリピートが高速なため、多数のリンクが存在する場合も高速だ。また、メール/Webブラウザキーによるスクロールは、リンクを無視したもので、上下キーでのスクロールと使い分けられる。
ブラウザ機能で気になったのは、ページのレンダリング中に押し黙ったように操作を受け付けなくなる点や、通信の切断/終了処理に時間がかかる点だろうか。携帯電話ではたいてい[終話]キーを押すと、パッとブラウザが終了するのだが、本機は結構待たされる。困るほどではないが、ちょっとイライラする場合はある。
本機の大きな魅力がそのデザインであるのは間違いないが、端々のサクサクとした動作は魅力だ。メールの送受信に若干待たされる部分はあるが、端末の動作としてはキビキビしている。マルチメディア機能は貧弱だが、ブラウザフォンとして必要な機能はしっかり盛り込んでおり、音声通話とメール・Webブラウザのみ必要という割り切り派であれば不満点は少ないだろう。
もちろんW-SIM対応である点も大きな魅力だ。本機は明らかにW-SIMの差し替えを前提とする仕様で、音声通話利用にはちょっと抵抗があるという声も多いW-ZERO3シリーズとペアで使うには最適だ。それぞれで受信したメールが端末ごとに分散してしまうが、ウイルコムEメールは転送もでき、受信メールを別アカウントに転送して一括管理する方法もある。
また、回線契約を伴わない単体価格では1万8600円(ウィルコムストア)と現実的な価格である点も評価できる。回線契約を結ばない端末の販売などは、インセンティブへの依存度が高い携帯キャリアには実現できない部分ともいえるだろう。
しかし、モデム機能がないのはやはり残念だ。モデム機能があればノートPCを持つ場合は本機で、身軽にしたい場合はW-ZERO3で済ます――という使い分けもできる。開発元のケーイーエスも、モデム機能への要望は把握しているようなので、今後何らかの形で実現できると、さらに魅力が増すだろう。
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