MP3の音楽データを作成するには,音楽CDからの「リッピング」,さらにMP3への「エンコード」(変換)という2段階の手順が必要だ。最近のWindows版のソフト「MP3 BeatJam X-TREME」(ジャストシステム)などは,1つの操作で音楽CDからMP3データができあがる。しかし,Linuxでは現在のところこのようなソフトが無いため,2段階の作業が必要だ(2000年8月現在)。
ここでは2つの手順を行う代表的なツールのインストール方法と,簡単な使い方を紹介しよう。
リッピングツールでおすすめなのは,「cdda paranoia」だ。次のページの「Download」から,ソースへのリンク「Complete cdparanoia III package source, ready to build (109670 bytes)」をクリックしてダウンロードしよう。続いて,次の手順でアーカイブを解凍してmakeを行う。
リッピング(音楽CD→WAVE)
$ tar -zxf cdparanoia-III-alpha9.7.src.tgz $ cd cdparanoia-III-alpha9.7 $ ./configure $ make # make install |
以上の操作で,バイナリは,/usr/local/ディレクトリにインストールされる。次に,/etc/ld.so.confファイルに,/usr/local/libの1行を書き加えて,ldconfigを実行しよう。
# vi /ec/ld.so.conf /usr/X11R6/lib /usr/i486-linux-libc5/lib /usr/lib/gconv /usr/local/lib ←この行を加える #/sbin/ldconfig |
音楽CDをマウントすれば,cdparanoiaでリッピングが可能だ。使用方法例は,次の通りである。
$ cdparanoia -B "4" 音楽CDの4曲目を取り込む $ cdparanoia -B "4-11" 4〜11曲目を取り込む $ cdparanoia -B "1-" 全曲を取り込む |
エンコード(WAVE→MP3)
cdparanoiaでWAVEファイルが作成できたら,次にMP3に変換(エンコード)するためのツール「エンコーダ」をインストールしよう。ここでは「午後のこ〜だ」の例を挙げる。
http://homepage1.nifty.com/herumi/soft.html
LinuxであればRPMパッケージが配布されているので,こちらをインストールすると手軽だろう。ここでは,ソース(gogo236.tgz)でインストールする手順を紹介する(2000年8月現在は,バージョン2.36)。
$ tar -zxf gogo236.tgz $ cd gogo236 $ make # cp ./gogo /usr/bin/gogo |
gogoにはいろいろなオプションが用意されているが,通常128Kbpsでエンコードするには次の指定で構わないだろう。
$ gogo ./speed-whitelove.wav |
上記のコマンド例では,MP3にエンコードされたファイル「speed-whitelove.mp3」がカレントに出力される。
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