Linux How-To「USBデバイスの認識から使い方まで(後編)」では,クリエイティブメディアのカム「WebCam3」を例に挙げてLinuxで動作させる方法を紹介した。
しかし,How-Toで取り上げたWebCam3は2002年2月現在,すでに生産停止となっているため入手するのが困難だ。そこで代替えとなる現行製品として,同じくクリエイティブメディアの「Video Blaster WebCam Plus」(以下,WebCam Plus)が挙げられる。ここでは,このWebCam Plusを取り上げてライブカムページを公開するまでの手順を紹介していこう。
防犯効果も期待できるライブカム…
LinuxでUSBカムを利用したい場合,カーネル2.4のディストリビューションを利用するのが容易だ。もしもカーネル2.2からアップグレードしたい場合には,「Red Hat Linux 6.2/Turbolinux 6.0/Vine Linux 2.1完全対応カーネル2.4アップグレードガイド」を参考にしてほしい。ここでは,カーネル2.4でVideo for Linuxが組み込まれていることを前提とし,Red Hat Linux 7.2環境を例に挙げている。
Video for Linux自体はビデオキャプチャデバイスを扱えるようにするだけのモジュールのため,実際にWebCam Plusが使えるようにするためには,「OV511」モジュールが組み込まれている必要がある。
Red Hat Linux 7.2では,インストール直後からOV511モジュールが利用できる環境になっているため,次のように指定をしてみれば,問題なく組み込まれるはずだ。
# modprobe ov511 # lsmod Module Size Used by ov511 34864 0 videodev 3072 1 [ov511] 3c59x 23616 1 (autoclean) usb-uhci 20384 0 (unused) usbcore 47344 1 [ov511 usb-uhci] |
モジュールは上記のようにmodprobeで組み込み,組み込まれているか確認ができるlsmodコマンドを実行し,上記のようにov511の文字列が確認できればよい。次にWebCam PlusをUSB端子に差し込んでみれば,本体の電源ランプ点灯と共にdmesgコマンドで次のようなメッセージが確認できるはずだ。もし,dmesgによる表示で確認できなかった場合には,Linux How-To「USBデバイスの認識から使い方まで(後編)」を参考にしてほしい。
$ dmesg ......... ............ usb.c: USB disconnect on device 10 hub.c: USB new device connect on bus1/1, assigned device number 11 ov511.c: USB OV511+ camera found ov511.c: camera: Creative Labs WebCam 3 ov511.c: Sensor is an OV7620 |
デバイスとして認識が確認されたら,次に画像を取り込むツールの設定に移ろう。ここでは,Linux How-To「USBデバイスの認識から使い方まで(後編)」でも紹介した「xawtv」を利用して,含まれているコマンドの1つ「webcam」を使いコマンドラインで処理ができるようにする。
まず最初に,xawtv Homepageからバージョン3.72をゲットして次のようにインストールを行った。
$ wget http://bytesex.org/xawtv/xawtv_3.72.tar.gz $ tar zxfv xawtv_3.72.tar.gz $ cd xawtv-3.72/ $ ./configure $ make # make install |
make install後には,次のようにwebcamコマンドが確認できればOKだ。
# which webcam /usr/local/bin/webcam |
次にwebcamコマンドの設定ファイルを作成しよう。設定ファイル名,保存先ディレクトリは任意の場所でも構わない。実行時に指定すればよいからだ。ここでは,設定ファイルを「/etc/.webcamrc」として作成した。
また,キャプチャした画像はローカルに保存するか,ftpで他のサーバにアップロードするかを設定ファイル内で指定できる。
# vi /etc/.webcamrc [ftp] #host = www #user = webcam #pass = xxxxxx #passive = 1 dir= /var/www/html/cam file = webcam.jpg tmp= uploading.jpg auto = 0 local = 1 ssh = 0 [grab] device = /dev/video0 text = "%Y-%m-%d %H:%M:%S" infofile = filename width = 320 height = 240 delay = 15 #input = composite1 rotate = 0 top = 0 left = 0 bottom = -1 right = -1 quality = 65 trigger = 0 once = 0 |
上記設定ファイルの中で注意しておきたいのは,「dir=」で指定するWebスペースとして公開ができるディレクトリ先と,保存するファイル名の指定(file=),「local=」で指定する数値だ。local=1と指定すると,ローカルのディレクトリ(ここでは,/var/www/html/cam)に画像を保存し,local=0と指定しておくと,他のサーバにftpアップロードさせることが可能だ。
この際には,コメント(#)をしてある「host=」「user=」「pass=」を有効にして,それぞれにftpサーバのホスト名,ユーザーアカウント名,パスワードを記述する。また,必要であればPASVモードをオンにするために「passive=1」の行もコメントアウトを取る必要があるだろう。
# webcam /etc/.webcamrc reading config file: /etc/.webcamrc video4linux webcam v1.3 - (c) 1998-2001 Gerd Knorr grabber config: size 320x240 [24 bit TrueColor (LE: bgr)] input (null), norm (null), jpeg quality 65 rotate=0, top=0, left=0, bottom=240, right=320 write config: local transfer /var/www/html/uploading.jpg => /var/www/html/webcam.jpg "2002-02-27 15:49:26" |
あとは,サーバの起動時に自動起動されるするよう,/etc/rc.d/rc.localファイルに次の1行を加えておくとよいだろう。
/usr/local/bin/webcam /etc/.webcamrc 2>/dev/null >/dev/null & |
■WebCam Plus(クリエイティブメディア) | ||||||||
|
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.