Red Hat Linux 7.2(7.3)ディストリビューションでは,標準のシステムCD-ROMにALSA(Advanced Linux Sound Architecture)のRPMが含まれていない。標準で利用されるサウンドドライバ「OSS」でサポートされていないチップの場合,ALSAサウンドドライバを試してみよう。サポートされているチップは,次のサイト上で確認ができる。
ここでは,ソースコードをダウンロードして音を鳴らすまでの手順を解説しよう。
標準設定のRed Hat Linux 7.2では,上記のサイトからのソースをconfigure実行した場合,/usr/src/linux/ディレクトリが見つからないといったエラーが表示されてしまう。この問題には,configureファイルを編集するか(configureオプションを指定するか),新たに/usr/src/linux/のシンボリックリンクを作成すればよい。ここでは後者の方法で進める。
# cd /usr/src/ # ln -s linux-2.4.18-3/ linux $ cd $ ls alsa* 次に挙げる4種類のファイルをダウンロードする alsa-lib-0.5.10b.tar.bz2 alsa-driver-0.5.12a.tar.bz2 alsaconf-0.4.3b.tar.gz alsa-utils-0.5.10.tar.bz2 $ $ tar jxfv alsa-lib-0.5.10b.tar.bz2 $ tar jxfv alsa-driver-0.5.12a.tar.bz2 $ tar jxfv alsaconf-0.4.3b.tar.gz $ tar jxfv alsa-utils-0.5.10.tar.bz2 |
ダウンロードするファイルは,上記リストに挙げるようドライバ(alsa-driver),ライブラリ(alsa-lib),ユーティリティ(alsa-utils),設定ツール(alsaconf)の4種類だ。コンパイルを行う際にも注意点があり,上記の順番で実行していく必要がある。
$ cd alsa-driver-0.5.12a $ ./configure $ su # make; make install |
ドライバをmake installした時点では,次のように音声がミュートされている旨のWARNINGが表示される。しかし,これは無視して構わない。
〜make installの続き〜 ALSA modules were sucessfully compiled. 〜中略〜 if [ -d /sbin/init.d ]; then \ install -m 755 utils/alsasound /sbin/init.d/ |
続いて,前述したようにlib(ライブラリ),utils(ユーティリティ)それぞれのコンパイル,インストールを行う。
# cd ../alsa-lib-0.5.10b # ./configure # make; make install # cd ../alsa-utils-0.5.10 # ./configure # make; make install |
次はデバイスファイルの作成だ。このファイル(リンク)を通してデバイスにアクセスされる。
# cd ../alsa-driver-0.5.12a |
ALSAドライバを新規にインストールした場合には,次のalsaconfも実行しよう。表示されるメッセージを注意深く見ていると,サンプル音声ファイル「/usr/share/sndconfig/sample.au」,設定ファイル「/etc/asound.conf」,制御スクリプト「/etc/rc.d/init.d/alsasound」などが確認できるだろう。
# cd ../alsaconf-0.4.3b # ./alsaconf Aplay: version 0.5.10 by Jaroslav Kysela |
以上の手順によって,次のようにモジュールが設定され,組み込まれる。
# cat /etc/modulus.conf 〜中略〜 # --- BEGIN: Generated by ALSACONF, do not edit |
次のようにlsmodを実行すれば,現在モジュールが組み込まれているどうかを確認することが可能だ。次のように表示されれば,すぐにでも音が鳴らせる状態と判断できる。
# lsmod 〜中略〜 snd-card-intel8x0 11968 0 (autoclean) snd-pcm 42816 0 (autoclean) |
ここでの例は,ソースコンパイルでのインストールのため,制御スクリプトの処理や設定は自動的に行ってくれない。このため,起動マシン再起動時にもデーモンが実行されるようにシンボリックリンクを張っておくのもよいだろう。
# ln -s /etc/rc.d/init.d/alsasound /etc/rc.d/ |
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