図4の業務フロー図中のシステムを使うオペレーティングファンクションの入出力業務項目を定義します(図5)
他方で、システム間の連携も定義します(図6)
システム間のやり取り(図6中のI/Fファイル)と、システムプログラムのシステムデータ項目と図5で定義した業務項目の関係を定義します(図7)。
ここでも業務項目の重複がないか見直すことが重要です。次に、システムデータ項目の重複定義がないかを見直してください。ここでもシステム導入を焦る必要はありません。
7つの手順を短期間で実現するには、昔ながらの石おのに竹やり(手っ取り早く“お絵描き”で利用されるExcelやPPT)では、正直いって無理です。特に主手順3と7において、ポイントとなる問題を発見できないでしょう。それでは、本書の目的であるCIO/システム部長の悩みは解消できません。
そこで、一般的にBPMツールと呼ばれるジャンルのソフトウェアを使うと、2項で述べた内容を容易に作成/変更管理できます。BPMツールには、EAI機能を備えた高価なものもありますが、2項の可視化手順の作成に、そこまでの機能は必要としません。
ただし、複雑なビジネスプロセスやビジネスコンポーネントを体系化してモデル化でき、その後の修正や変更管理を容易にするために、操作性はもとより、以下の機能を持っているツールを使うことを推奨いたします。
上記は最低限必要な機能で、できれば業務改革やシステム設計を支援する機能として以下の機能を有していることがベストです。
注記:
IDEFは、米国防省が開発した統合化定義方法論です。
これらの機能を有する代表的なBPMツールとして、IDSシェアーが提供しているBPMツール「ARIS(ARchitecture of Integrated Information System)」が挙げられます。ARISは、部門/業務プロセス/業務項目/システム/データ項目といったビジネスコンポーネントを通常の“お絵描き”のオペレーションで描くだけで、裏ではオブジェクトの名称をキーに同一オブジェクトとして自動認識します(図8)。
ARISの中では、ビジネス/システムコンポーネントは、データベース上、リレーショナル管理されていますので、例えば図9に示すように、担当者をクリックするだけで、その担当者が担っている業務を一覧表示することができます。もちろん図7中の業務項目/システムデータ項目をクリックすれば、その項目が使われている業務やプログラムを瞬時に一覧表示できます。
「うちは、組織名称がよく変わるから……」といった問題も恐れることはありません。その組織オブジェクトが使われているいずれかのモデル図上を1カ所変更するだけで、すべての名称が変更されます。
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