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» 2006年03月14日 12時00分 UPDATE

サーバ仮想化技術の可能性と限界(2):サーバ仮想化技術はどう使えるのか (2/2)

[松本 健(野村総合研究所 情報技術本部技術開発部 上級テクニカルエンジニア),@IT]
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複数業務システムへのサーバリソースの最適配分

 これは負荷に応じて仮想サーバ間で動的なリソースの配分を行うことにより、余剰リソースを有効活用するものである。リソースの配分方法としては、各仮想サーバのピーク時間帯が分かっている場合の計画的配分方法と、突発的なピークに対応する場合の状況に応じた配分方法がある。

 前者は社内業務系システムで、朝・昼間にはオンライン処理を中心とした仮想サーバに対してより多くの物理リソースを割り当て、夜間にはバッチ処理を中心とした処理が多いため朝・昼間にオンライン処理仮想サーバに割り当てた物理リソースを、バッチ処理仮想サーバへ再割り当てするような場合である。

 後者は、インターネットでのチケットや商品販売のオンラインシステムなどで、発売当日などに突発的に想定以上のアクセスが集中し、オンライン処理仮想サーバの処理が重くなってしまった場合に、ほかの処理をしている仮想サーバから一時的に物理リソースをはく奪し、オンライン処理仮想サーバに再割り当てすることで処理負荷に対応する場合である。

ALT 図4 処理負荷に応じたリソースの自動的な割り当てが可能になる

効率的な待機系サーバの構築

 複数のハイアベイラビリティ(高可用性)構成システムの待機系サーバを、1台の物理サーバ上に仮想サーバとして構築する。待機系の仮想サーバは、初期の構成時にはハートビート情報などを処理できる最小の物理リソースのみを与えておく。実際に障害が発生し正常系からフェールオーバしたら、正常なサーバと同等のリソースを動的配分する。これにより、待機系サーバで通常よりも集積度の高い統合を行い、休眠リソースの削減を図ることが可能であると考えられる。

ALT 図5 同一の物理ハードウェア上で待機系サーバを設置できる

シンクライアント・ソリューションの構築

 最近では、情報漏えいを中心としたセキュリティへの関心が高まる中、システムにおける対策も進んできた。特に、クライアントからのデータの漏えいに対しては、シンクライアントという、ハードディスクを持たず永続的なデータ保持ができない端末を用いたソリューションが脚光を浴びている。これに仮想サーバを用いることが考えられる。

ALT 図6 サーバ仮想化技術でシンクライアントを利用する

 シンクライアントの場合、クライアントにデータを保持できないため、システムへの入出力部分のみを提供することになる。つまり、実際にプログラムが動作しデータを取り込んでいるのはセンタ側にある仮想サーバである。シンクライアントではサーバに対してキーボードおよびマウスの入力を転送してサーバ上のプログラムを動作させ、サーバからクライアントにはその結果表示画面(画像)を転送する方式を取っている。

 今回はサーバ仮想化技術の活用例について述べた。次回は、サーバ仮想化技術の評価ポイントについて述べる。

著者紹介

▼著者名 松本 健 (まつもと けん)

1994年早稲田大学大学院理工学研究科卒業後、同年野村総合研究所入社。

現在、情報技術本部にてシステム基盤を中心とした新技術の調査・評価を行うITエンジニアとして活動。

最近ではESB、BPM、ユーティリティ・コンピューティング、サーバベースド・コンピューティング、RFIDミドルウェアなどの調査・評価を行っている。


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