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» 2006年06月03日 12時00分 UPDATE

何かがおかしいIT化の進め方(25):リーダーシップを発揮するにはどうすれば?(前編) (1/2)

ITマネージャがリーダーシップを修得したり、リーダーシップ能力を磨くためにはどうすればよいのか? 今回はリーダーシップの発揮という問題を取り上げる。

[公江義隆,@IT]

 新緑の候、初めて部下を持った人や新たに組織の管理を任された人などが、多くおられると思う。今回は、管理者にとって自分自身のリーダーシップの修得、あるいは部下のリーダーシップ能力の育成などの参考にしていただければ幸いと思い、リーダーシップの発揮という問題を取り上げてみる。

組織にとって望ましい人のタイプとは?

 以前、社内の研修で、講師の人事コンサルタントからこんな質問を投げ掛けられたことがある。

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 上の図のように「やる気を縦軸に、知恵・能力を横軸に人の特性を表した場合、組織にとって望ましいのは、どのタイプの人か?」という問題である。一番望ましいのは誰が見てもDだろう。では、一番問題があるのはA、B、Cのどれだろうか?

そもそも、リーダーシップとは?

 リーダーシップについては、人によってさまざまなとらえ方があるので、ここでは出発点に戻り、「組織の目的や方向を示し、組織全体を動機付け、目標達成のために人を動かすこと」と定義し、そのための要件について話を進めることにする。

 なお、リーダーシップというと、性格に近いヒューマンスキルだけだと思われがちだが、これはもっと総合的なものであり、仕事の性質や状況、かかわる人の特性によって、求められるリーダーシップの形にはかなりの幅がある。

 現実を見てみると、人をうまく動かして組織として優れた成果を上げているマネージャにもいろいろなタイプの人がいて、ケースバイケースでさまざまなやり方が駆使されている。また、リーダーシップ発揮に求められる能力特性や要素、その方法には代替可能なさまざまな組み合わせが考えられる。

 管理者にとって「リーダーシップ」は知識ではなく、日常の自らの行動に表れるものでなくてはならない。そのためには、物事を具体的に理解し、それを行動として習慣化する努力が必要になる。

立場や周囲の条件が変わったときに考えやすい問題

 組織の中で、人はどのような条件が整っていれば、仕事に対し一生懸命になれるのだろうか? 安心してその課題に打ち込めるのだろうか? こんな問題は自分自身の立場が変わったときや、部下が変わったとき、新しい種類の仕事や環境に直面したときに考えてみると分かりやすい。

 定常組織の中での日常作業なら、昨日と同じように今日の仕事を進めていても、あまり問題を感じることなく日は過ぎていく。しかし、「主任になって実質的に部下を管理・監督する立場になった」や「AA課の課長、あるいはBBグループのマネージャに任命された」「新しいプロジェクトを行うチームに加わった」「いままでやったことのない性格の問題を、組織として初めて手掛けることになった」……など、自分自身や周囲の条件に変化が起こると、昨日の延長線上の今日ではなくなり、あらためて意識せざるを得なくなる。こんなときにこそ、リーダーシップは具体的な理解がしやすい問題なのである。

 組織の中での役割は、会社の規程などで「CC課の業務はDD、マネージャ職の責任・権限はEE」などと決められているか、上司から「FFシステムの設計担当」などと指示があるなど、少なくとも形式的には役割が決められているのが普通である。また初めて手掛けるという仕事でも、理屈のうえではやり方を知っている場合は多い。しかし、いざ具体的に仕事に取り掛かろうとすると、部下に何をどのように指示してよいものかなど、一般論と具体論、知識と行動の間で、いろいろな疑問に突き当たることが多いと思う。

「上司―自分」と「自分―部下」という相似形で問題を考える

 こんな問題を考える場合、上司としての自分と、部下との間の問題として考えようとしがちだが、それより、まず自分の上司と、その下で働く部下である(中間管理職の)自分という関係から、この問題を考えてみる方が分かりやすいだろう。

 自分が与えるべきものを考えるより、自分が求めるものを考える方がはるかに簡単だからだ。自分自身が本当にやる気になって、安心して存分に力を出し切るために、自分が上司に期待する・求めることの中身を考えてみよう。恐らく自分の部下は、自分に対しても同じようなことを求めているはずである。

 自分が上司に求めるものの相似形として、1レベル階層を下げた内容として、部下が自分に求める姿が浮かび上がってくる。

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