大手企業のBI活用度に大きなばらつき、アビーム調査BI活用の実態調査結果を発表

» 2008年04月23日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 アビームコンサルティングは4月23日、大手企業におけるBI(ビジネス・インテリジェンス)の活用実態に関する調査結果を発表した。

 本調査は2007年12月から2008年1月にかけて行われた。連結売上高1000億円以上の東証1部上場企業と、主要外資系企業など大手600社を対象にアンケートを実施、うち61社から有効回答を得た。業種別では、製造業が66%と大半を占めている。

 回答企業の90%弱がBIを導入済み、もしくは導入予定と答えたが、そのレベルにははっきりと差が見られたという。アビームコンサルティング 経営戦略研究センター ディレクター 木村公昭氏は、「BI導入で期待される効果には、情報の可視化、分析的活用、戦略的活用の3段階がある。情報の戦略的活用のためには分析的活用が前提で、分析的活用を行うためには情報の可視化が必要。BIを導入済みの企業がどの段階まで情報を活用できているかには、比較的ばらつきがある」と説明した。情報の活用度が高い企業では経営陣や部長レベルといったマネジメント層が積極的にBIを利用している。一方、活用度の低い企業では現場担当者の利用にとどまっているという結果も出た。

写真 アビームコンサルティング 経営戦略研究センター ディレクター 木村公昭氏

 また、情報が活用可能であっても、その元となるデータの品質に問題があることも多いという。BI導入済み企業の約70%が、データの品質に何らかの問題があると回答している。さらに木村氏は、海外に事業展開している企業における情報活用の課題も指摘した。「BI導入済みの企業でも、海外拠点のデータをシステム上で参照可能と答えたのは半数強しかなかった。また、たとえ参照可能になっていても、その切り口は地域別・事業部別にとどまっているところが大半。これからのグローバル経営には、より詳細なデータを迅速に収集し、活用することが求められる」(木村氏)

写真 アビームコンサルティング BIイニシアチブ プリンシパル 中世古操氏

 顧客のこうした課題を踏まえ、同社では「データ標準とデータガバナンスの整備」「BIへの取り組みをリードする中核組織(BIコンピテンシーセンター)の設置」「統合的なKPI(重要業績評価指標)の管理」などをキーポイントとした戦略的BI実現のための包括的なソリューションを展開しているという。アビームコンサルティング BIイニシアチブ プリンシパル 中世古操氏は、「BIツールの導入だけがBIではない。弊社では、BIは経営管理そのものだと認識している。BIの構想策定からシステムの開発・導入、さらにはその後の運用まで包括的に顧客をサポートする」と同社のBIソリューションについて述べた。

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