コレスポンデンス分析(これすぽんでんすぶんせき)情報システム用語事典

CA / correspondence analysis / 対応分析法

» 2008年04月23日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 多次元集計されたデータを多次元空間にマッピングして、データ要素同士の関係性を視覚的に表現する多変量解析の1つ。一般には、2次元の行列(分割表、クロス集計表)の行要素(サンプル)と列要素(カテゴリ)に定性データが与えられているとき、同一のサンプルに反応したカテゴリ同士、同一のカテゴリに反応したサンプル同士を集め、それを空間に配置するのに適した原点(座標)を算出。これに基づいて散布図(ポジショニングマップ)を作成して要素をプロットする。

 類似度・関係性の強い要素同士は近くに、弱い要素同士は遠くにプロットされる(ただし、相対的な関係である)。このとき、軸がクロスする原点付近にプロットされる要素は比較的特徴が薄いと解釈できる。直観的・感覚的にデータの傾向を把握できることもあって、ブランドポジショニング分析や消費者特性分析、パーセプションマップの作成など、マーケティング分野でよく用いられる。

 コレスポンデンス分析は、1960年代にパリ第6大学のジャン=ポール・ベンゼクリ(Jean-Paul Benzecri)が多次元の質的データを対象とした主成分分析型手法として考案した。フランス語では「AFC(analyse factorielle des correspondances)」という。1970年代に「CA(correspondence analysis)」として英語圏に紹介されると、統計解析ソフトに搭載されるなど世界に広まった。数理的には数量化III類、双対尺度法などと同種の手法である。

参考文献

▼『Excelで学ぶコレスポンデンス分析』 高橋信=著/オーム社開発局=編/オーム社/2005年

▼『イメージの測定法――コレスポンデンス分析と因子分析による』 君山由良=著/データ分析研究所/2002年


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