use case description
アクターの目的を達成するために、システムが実行する(すべき)振る舞いを文章で記述したもの。ユースケーステキスト、シナリオという場合もある。
ユースケースはシステムの内部と外部を行き来するイベントの流れということができるが、そのやり取りを行うアクターは誰か、目的は何か、目的が達成できる標準的な流れ、達成できない例外的な流れにはどんなものがあるかなど、相互作用の詳細を文章にまとめたものが「ユースケース記述」である。
ユースケースは要求分析・要求定義に重要な役割を果たすツールとして認知されているが、ユースケース図はUMLとして標準化されているものの、ユースケース記述は特に取り決めがない。そのため、多数の論者がさまざなま記法を提案している。
ユースケースの考案者であるイヴァー・ヤコブソン(Ivar Jacobson)は非形式的(通常の自然文)で記述することを提唱しているが、現実には記述項目を定めたテンプレートを使うことが多いようだ。ただし、どのような項目があれば十分にユースケースを表すことができるかはケース・バイ・ケースであり、よく検討する必要がある。
▼『ユースケース実践ガイド――効果的なユースケースの書き方』 アリスター・コーバーン=(著)/ウルシステムズ、山岸耕二、矢崎博英、水谷雅宏、篠原明子=/翔泳社/2001年11月(『Writing Effective Use Cases』)
▼『ユースケースの適用――実践ガイド』 ゲリ・シュナイダー、ジェイソン・ウィンターズ=著/羽生田栄一=監訳/オージス総研=訳/ピアソン・エデュケーション/2000年3月(『Applying Use Cases: A Practical Guide』の邦訳)
▼『UML 2.0仕様書――2.1対応』 Object Management Group=著/西原裕善=監訳/オーム社/2006年11月(『Unified Modeling Language specification』の邦訳)
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